ラピッド・ビスコ・アナライザー(RVA) 回転式糊化特性測定装置

ラピッド・ビスコ・アナライザーは製品開発、品質・製造の管理、品質保証におけるユニークなツールです。

RVA はデンプンや穀物、小麦粉、そのた食品の粘度特性の測定に最適化された自在な温度管理と回転条件の設定が可能な回転粘度計です。測定は 2~3 g という少量から行え、国際的な標準法で用いられており、回転も想定時間も加熱も冷却もすべて任意の条件で測定することもできます。

アプリケーションには、小麦粉や穀物の品質測定、天然デンプン、加工デンプン、そのたデンプン製品の評価、配合された食品(ソース、ケチャップ、グレービー、ドレッシング、マヨネーズ、スープ、乳飲料など)やその他食品添加物(ハイドロコロイド、プロテインなど)、加熱またはエクストルード加工食品(朝食シリアル、スナックフード、ペットフード、養魚飼料、動物飼料など)、とろけ具合の測定(チーズ、チョコレート、製菓など)に利用され、実際の加工を想定したマイクロ・パイロットプラントとして活用されています。

お客様のニーズにあった幅広いモデルのラピッド・ビスコ・アナライザーとアクセサリー類を提供しています。
RVA 4500 は迅速性、精度、柔軟性を備え、 Thermocline for Windows (TCW) は糊化曲線のデータ収集と解析の自動化が可能です。

RVA 4800

幅広い粘度範囲、優れた感度と精度、拡張温度範囲 (最大 140°C) を兼ね備えた当社の最上位モデルです。これにより、RVA 4800 は、乳製品や食品の超高温 (UHT) 殺菌、レトルト、加圧調理、押し出し、その他の無菌処理条件に関連する条件下での原料 (デンプンやハイドロコロイドなど) のパフォーマンスなど、さまざまな用途でより適切な分析を実行するのに最適なツールになります。

高温処理は、多くの食品および工業製品の製造に使用されています。食品加工業者にとって、原料の性能を評価し、超高温 (UHT) 処理、バッチ圧力調理、レトルト処理、ジェット調理、押し出しなどの殺菌や急速処理に必要な高温条件にさらされる配合物への適合性を判断することが重要です。RVA 4800 は、100°C 未満の通常のテストのほか、特別に設計された圧力容器で 140°C までの高温テストを実行できます。RVA 4800 の高温機能を活用したいくつかの方法が考案され、極端な処理条件にさらされる製品の原料の性能を評価しています。

RVA 4500

感度、精度から低粘度のサンプル(160 rpm にて 10~160 cP)の測定に最適なモデルです。

低固形分デンプン(製紙・包装用のエチル化・カチオン化デンプンなど)、低粘度食用デンプン(酸・酵素処理など)、低粘度の製品(ソース、ケチャップ、グレイビー、ドレッシング、マヨネーズ、スープ、乳飲料など)、その他デンプンを含まない低粘度食品(ハイドロコロイドやタンパク質を含む製品)を含む低粘度のアプリケーションに推奨されます。

また、160 rpm 時で最大 25,000 cP と最も粘度範囲が広いのも特徴です。

エクストルード製品や加工食品(朝食用シリアル、スナック類、ペットフード、養魚飼料、動物飼料など)、融解性の測定(プロセスチーズ、チョコレート、製菓など)、高固形分、高粘度加工デンプン(置換または架橋など加工食用デンプンなど)を含む高粘度アプリケーションに推奨されます。

特長

ラピッド・ビスコ・アナライザー

  • 粘度範囲はサンプルに合わせて選んで頂けます: 感度、精度から低粘度のサンプル(160 rpmにて10~160cP)の測定に最適なモデル(RVA 4500)から幅広い粘度範囲の最上位モデル(RVA 4800)がございます。
  • 迅速な測定プロファイル:標準的な糊化測定は13分です。
  • 使いやすさ:サーモクラインfor Windows (TCW)を用いた自動化された測定で、作業者のトレーニングを最小限にしつつ、信頼性を高めています。
  • 校正:ISO9000やその他の品質システムの要件を満たトレーサブルなスタンダードを使用して校正が可能です。
  • ガラス不使用:食品製造の現場でも安全にお使い頂けます。
  • その他:独自で設定可能な測定条件は製造プロセスの状態を再現します。

サーモクライン for Windows (TCW) ソフトウェア

  • プログラム可能な機器制御ソフト:“Profile”によって測定条件を設定でき、回転数や昇温・冷却などの自在な設定が可能です。 柔軟で使いやすい制御用ソフトウェアです。
  • フレキシブルなデータ解析:対象作物に応じて必要なパラメーターを準備、自動で研究のための高度な機能を利用できます。
  • リアルタイムのグラフ表示:直観的に分かりやすくするため、グラフは重ねて表示されます。
  • 1ページレポート:追跡データ、結果、グラフがすべて1ページにまとめてレポートされます。
  • トレーサビリティ:ER/ES (electronic records/electronic signatures) 準拠でデータセキュリティのための要件を満たします。

操作と取扱い

操作手順

  1. メソッドを選択:TCWソフトウェアからRVAのメソッドを開くか、スタンドアロンモデルをお使いの場合は本体のキーボードから正しいメソッドを選択します。
  2. 秤量:サンプルと蒸留水を電子天秤を用いて正確に秤量します。最初に缶に蒸留水を入れてサンプルは後から添加してください。
  3. 撹拌:パドルを缶にセットして良く撹拌し均一に分散させます。内壁に付いたサンプルも落とします。
  4. セット:モーターのカップリングにパドルをスライドさせてセットします。
  5. スタート:タワーを押し下げるとRVAが測定をスタートさせます。
  6. 測定:サンプルの粘度はモニターまたはディスプレイに(スタンドアロンモデルをお使いの場合)グラフで表示されます。
  7. 結果:測定が終わると自動で終了し、解析結果が表示されます。

仕様

  RVA 4500 RVA 4800
電源 240 VAC, 3,5 A, 50/60 Hz / 115 VAC, 5 A, 50/60 Hz 230/115VAC, 5A, 50/60 Hz
インプット/アウトプット USB port、RS232 シリアルポート
本体サイズ (幅 × 高さ × 奥行) 306 × 382 × 345 mm
本体重量 18 kg 19 kg
設定温度 0-99.9°C 0-140°C
昇温・冷却性能 最大14℃/分(制限なく可変)
必要冷却水 流水 1 L/分(冷却時) 100-250 kPa.*
回転速度 PCからの制御で制限なく可変
20~ 2000 rpm
対応粘度範囲 20~50,000 cP(80 rpm時)
10~25,000 cP(160 rpm時)
精度 +/- 2%
(S2000オイル使用5000cPにて)

アプリケーション例

RVA は粘度、水和性、調理特性のフィンガープリントを幅広い食品について行うために理想的な装置です。

デンプンまたはデンプンを含むサンプル:穀物、根菜など植物由来の天然、または加工デンプン

ハイドロコロイド:ゲル化/増粘化特性、水和特性、ゲル化のためのサンプル前処理

タンパク質:大豆製品、乳製品、グルテン、ゼラチン、卵類

製粉・製パンなど:虫害など穀物の健全性、ケーキ、パン、バッター、パスタ、麺類などのデンプン糊化品質、小麦粉アミラーゼ、モルトアミラーゼ、カビ由来アミラーゼ、アンチステアリング、小麦粉の熱加工、小麦のグルテン品質、溶媒保持能力測定など

大麦・モルト・醸造:モルト用大麦の保存期間の推定、マッシュイングシステムの迅速記録、モルティングプロセスのモニタリング(酵素、補助剤、化学物質添加による影響)、大麦のモルティング品質の推定、製造ラインのでマッシュイング工程のシミュレーションなど

乳製品:プロセスチーズの製造と溶けやすさ、乳タンパクパウダーの乾燥温度の影響、レンネットカゼインの再水和、乳飲料、カスタード、加糖練乳の増粘など。ミニチュアパイロットプラントとしてヨーグルト、アイスクリームミックス、乳製品のデザートの小規模なテスト製造など

加工食品:ソース、ケチャップ、グレイビー、ドレッシング、マヨネーズ、スープなどデンプンを含んだ低粘度の製品(プレミックスやインスタント含む)、ハイドロコロイドとタンパク質、チョコレートの融解、製造工程を再現するミニチュアパイロットプラントとしての利用など

エクストルード製品:朝食用シリアル、スナック菓子、ペットフード、養魚飼料、動物飼料など

カスタマーサポートパッケージ

サポートパッケージはお客様の機器が最適なパフォーマンスを継続できるようデザインされています。

定期的なメンテナンスは故障を起こす前に問題のある個所の特定を可能にします。こうしてお客様のRVAが世界中のRVAと変わらない正確な結果を提供していることを確認し、ユニットの寿命を伸ばすことにもつながります。点検、メンテナンス、技術サポート、ソフトウェアの更新を含めてサポートパッケージをご提案しています。

お客様によってニーズは様々です。以下の2つの基本サポートからご選択いただけます。お客様のユニットの状態に合わせて個別にご提案が可能です。株式会社エヌエスピーのエンジニアまでご相談ください。

点検

定期交換が必要な最低限のパーツを交換し、RVA の状態を確認してレポートいたします。修理作業とセットでご依頼いただくこともあります。

校正確認・校正

点検の内容に加え、温度・速度・トルクなどすべての構成を確認し、調整してレポートいたします。修理作業とセットでご依頼いただくこともあります。

アクセサリー類