ATRクリスタルの交換
- クリスタルアセンブリーをホルダーに格納した状態で高さ調節ネジをはずす
- 止め棒を押さえながらATRクリスタルをゆっくり引き出す(バネを飛ばさないように)
- 新しいATRクリスタルを取り付け、飛び出さないようにしっかり格納する
- 高さ調節ネジをしめる
*目安として、ネジを締切った状態から1mmほど緩めた位置に調整してお
ATRクリスタルの調節
- ATRクリスタルホルダーを顕微鏡に取り付け、左右のナットを交互に締めて固定する(クリスタルホルダーには前後があるので注意する;センサーがついている方が奥側)
- ステージを下げ、クリスタルを引き出した状態で、エネルギーをモニタする(図2)
① 光路を顕微鏡側へ設定し、反射モードであることを確認する
② 『ステージコントロール』ウィンドウの『スキャン』から『モニタ』を選択する
③ エネルギーのモニタにチェックし、モニタ画面を開く
図2 エネルギーのモニタ
- 位置調節レバーでエネルギーが最大になるように調節する
① 左右のナットを1/4回転ほど緩める
② エネルギーをモニタしながらクリスタルの位置を動かし(右手側のレバーで左右、左手側のレバーで前後)、エネルギーが最大になる場所に調節する
③ ナットを締めてクリスタルを固定する
- エネルギーのモニタを続けながら高さ調節ネジを緩めていき、エネルギーが最大になるように調節する(緩めすぎるとネジがはずれてクリスタルが落下する場合がある)
- モニタを終了し、クリスタルを格納する
- 反射板とPVCのテープまたはスコッチテープを貼ったスライドガラスなどを用意する(図3)
図3 調製セット
- クリスタルを格納した状態で、ステージを移動させテープ上に可視の焦点を合わせる(アパーチャは100µm×100µmに設定する)
- ステージを少し下げ(クリスタルと調整セットが直接当たらないように)、クリスタルを引き出した後、ゆっくりとステージを上げ、テープとクリスタルを接触させる
- ステージを下げ、クリスタルを格納し、テープとクリスタルの接触跡に可視のフォーカスを合わせる
- 可視画像に示されたアパーチャの中心にクリスタルの接触跡があれば調整は終了(図4a)→ずれていた場合は調整の目安とするため可視モニタの画面をコピーする(図4b)
図4a 調整完了
図4(a) 調整完了図4b ずれている場合
(この場合は、画面右に約1個分・下に約0.5個分移動が必要)
- ステージを動かし反射板上に焦点を移動する
- 可視の焦点位置からさらにステージを上げ(図5)、クリスタル先端の反射(図6)を確認できる位置に合わせる
図5 クリスタルの先端に反射したときの光路
- ナットを1/4ほど緩め、調整レバーで14でのずれ分を補正する(中心に合わせるわけではないので可視モニタのコピーをとっておくと調整の目安になる)
図6 クリスタル先端の反射(今回の例の場合は、白点線の位置に合わせる)
- ステージを移動させテープ上に可視の焦点を合わせる
- ステージを下げ、クリスタルを格納し、テープとクリスタルの接触跡に可視のフォーカスを合わせる
- 必要に応じて15-19を繰り返す
補足
ATRクリスタルの状態の確認
ATRクリスタルは通常使用中に壊れるものではありませんが、Ge結晶を使用しているため使い方によっては破損する危険性があります。
破損してしまった場合は検出エネルギーの低下などでわかる場合もありますが、今回の方法で確認することもできます。
破損または汚れがある場合、反射板上でクリスタルの先端を反射させた場合に先端が丸ではなく、破損または汚れのある部分が欠けて見えます。