TGA 8000 熱重量測定装置

TGA 8000 は、加熱または一定温度下で 0.1µg の重量変化を超高感度に測定し、温度、重量の長時間安定性を実現します。

アプリケーション例

特長

温度、振動、経時変化の影響を受けにくい感度0.1µgのミクロ天秤

天秤部は温度コントロールされ、長時間の安定性に優れます。ウルトラミクロ天秤の技術をそのまま採用した、特殊な防振台を不要とする超高感度の熱天秤です。冷却ユニットを使えば-20℃からの測定も可能です。

天秤部に影響を及ぼす静電気を除去するイオンストリーム

秤量される値の精度は発生する静電気により影響を受けることもあります。また試料パンのファーネスへのセット時にも飛散の問題や安定性にも支障がでることがあります。このイオンストリーム機能が静電気の影響を回避します。

高速加熱・冷却を実現する低熱容量ファーネス

最大500℃/分までの昇温を実現し、迅速に平衡を達成します。動力学的測定はもちろん、急速冷却が可能なために短時間に多数の測定も可能になります。

分析効率を大幅に向上させるオートサンプラー

オプションにて48 サンプル対応のオートサンプラーが装着できます。高速冷却プログラムと併用すれば、多くの試料を短時間に高精度な自動分析ができます。

可変昇温TGA(Variable Rate TGA: VRTGA)

減量速度を制御しながら電気炉の昇温速度を変化させるVRTG測定は、等速昇温では得られない近接した減量の分離など様々な減量に有効です。減量速度を自動で一定にできるVRTG測定は、総合的な分析時間短縮、生産性向上に役立ちます。

発生ガス分析

発生するガスを FTIR や質量分析計に接続することより(TG-IR,TG-MS)、そのガスの定性や試料の動的な解析ができます。

21CFR Part11に対応するソフトウェア

コンフィグレーションの変更、キャリブレーション、メッソド、システムエラー、ファーネスクリーン、Valet 機能など全ての操作記録が残せます。

高感度と長時間安定性を実現するメカニズム

下吊り式の天秤は装置自身の天秤系の重量と体積を小さくできるために、高感度化と昇温時の雰囲気ガスの膨張による浮力の影響を小さくできる利点があります。また、大容量の試料を測定できるよう設計できるため、他の方式(水平式、上皿式)に比べ多種多様の試料に対して、高感度・高精度の測定が可能です。

イオンストリーム機能による静電気除去

イオンストリーム機能は、高電圧で窒素ガスなどの雰囲気ガスをイオン化し、サンプルの静電気を抑えます。周囲の静電気を抑えることで、サンプルの飛散などを防ぎ、TGA 8000 の最高性能を引き出します。

低熱容量ファーネス

低熱容量ファーネスは高速の直線的加熱・冷却(200℃/分まで)を実現し、迅速に平衡を達成します。ファーネスは試料容器よりわずかに大きいだけで、瞬時にプログラム温度に到達します。

TGA 8000によるアプリケーション例

高感度測定

PETペレット27mgを130℃で、10時間保持した結果です。6時間で一定となり、その量は0.219%でした。優れた長時間高感度安定測定を実現しました。

長時間安定性

温度、TGA ともにあらゆる温度領域において、優れた安定性、ドリフト性能を有しています。

再現性

タイヤ中のカーボンブラック、灰分の定量のために、600℃でガスを窒素から酸素に切り替えました。5回繰り返し分析の結果です。良好な再現性が得られています。

仕様

測定方式 下吊り式
感度 0.1 µg
測定温度範囲 -20~1200 ℃
冷却時間 13 分以内に1100 ℃から50 ℃
サイズ 440(幅)×430(高さ)×430(奥行き)mm
重量 26 kg