Optimaシリーズ
設置環境
Q. シェアガスにArガスを使っても大丈夫?
対象製品:Optima 7x00
プラズマが不安定になるので不可能です。
原理・特徴
Q. ネブライザーのつまりとはどういうことですか?つまりが発生するとどういう現象になりますか?
対象製品:Optima 7x00
高塩濃度試料を測定する場合、ネブライザー先端部に塩が乾燥付着する事があります。結果としてガスの流れが悪くなり、データの再現性に影響を与えます。
Q. Ar加湿器の役割について教えてください
対象製品:Optima 7x00
キャリアガスを加湿することにより、ネブライザーをつまりにくくさせます。
Q. マルチタイプの分光器はなぜ常時電源Onなの?
対象製品:Optima7x00
分光器内部の温度を一定に保つためにプレートヒーターを使用しています。そのヒーターの電源を落さないために本体電源を常時Onにしています。
Q. 冷却水はなぜ専用水なの?イオン交換水じゃだめなの?
対象製品:Optima 7x00
プラズマ電源部の冷却効率に関係し、プラズマ電源部の破損を招く危険があります。
Q.同軸ネブライザーの種類について(なんでCタイプなの?)
対象製品:Optima 7x00
高塩濃度試料用ネブライザー(Cタイプ)を標準仕様としています。他に有機溶媒用(Kタイプ)などがあります。
Q. シェアガスのメリットは?
対象製品:Optima 7x00
プラズマ先端部の温度が低い部分、つまり原子を十分に励起できない箇所を空気により切り取ります。これにより安定して原子を励起させる事ができます。
Q. シェアガスは短波長測定に影響は出ませんか?
対象製品:Optima 7x00
影響はありません。
Q. 測定処理時間はどのくらいでしょうか?
対象製品:Optima 2100
20元素で2分以内に測定することができます。
対象製品:Optima 5000
多元素同時測定が可能ですので、最大72元素250波長を同時に測定できます。 この場合の測定時間は1分以内です。
Q. ランニングコストが心配なのですが。
対象製品:Optima 2100/5000
もっとも費用がかかるのはICP点灯に消費する Arガスです。これは基本的に測定時間に依存しますが、Optima 2100/5000では短時間で測定が可能ですので、原子吸光分析と比べても遜色のないランニングコストを実現しています。
Q. 半導体検出器も各社ありますが、Optimaの検出器のピクセル数が他社と比べて格段に少ないのですが、大丈夫でしょうか?
パーキンエルマーは独自のSCD(Segmented-Array Charge coupled device Detector)検出器を採用しています。まずはフルフレームエシェログラムを見て下さい。
フルフレームエシェログラム
これは各元素の発光線をエシェル分光器で分光したときのスペクトル ですが、分析可能な発光線は上記の光っている箇所だけです。 パーキンエルマーは、この発光線のある部分だけに、高性能なCCD素子を細かく配置しています。
分析に必要のない個所には素子を配置していないので、ノイズが非常に低く、しかも分解能の高い測定が行なえます。まさしくICP発光分析用の検出器なのです。
Q. シーケンシャル型ICPの分光器で波長ずれは起きないのですか?
対象製品:Optima 2100
Optima2100はダイナミック波長安定化機構(DWS)を搭載しています。
これは通常行われるように分析の前にHgやArの輝線を使って波長校正をするのではなく、分光器の中に中間スリットを設けて、そこからサンプル光と並列してネオンビームを参照光として導入し、常にその光をモニターしながら波長校正を行います。
つまりリアルタイムで波長校正を行っている為、気温などの影響を受けないということになります。下記は分光器の温度を意図的に変えたときの20時間安定性についてDWS使用時と非使用時でのピーク波長の安定性を示したものですが、 DWSの効果が明らかに表れています。
Q. Optima 2100DVはCCD半導体検出器を使用しているのにどうしてシーケンシャル方式にしたのですか?
対象製品:Optima 2100
波長全体を受光する素子数の多いCCDを使用すればマルチチャンネルとして機能する分光器(エシェル回折格子とプリズムの光学系を持つ)になるのですが、素子数の少ないCCDを使用することにより、分光学的に収差のない理想的な部分のみを使用できること、バックグラウンド補正がリアルタイムに行うことができます。
量子効率が高く、波長校正が不要で、波長ずれのない測定が可能になります。これは分析時にリファレンス光を同時に測定し、位置補正をするからです。
また、マルチチャンネルと同様に測定後の再計算も可能です。
シーケンシャルとはいっても、マルチチャンネルと同様の機能を持ち、さらに今までにない画期的な多くのメリットを持っています。
Q. ICP発光分析装置を選定する上で、トーチの方向(アキシャルかラジアルか)をどちらに選定したら良いのか迷っています。メーカー各社によって推奨される測定方法が異なります。分析一般業務を受けているところなので、サンプルは、上水・排水・非金属・食品・窯業製品・石油化学製品など様々です。 どちらを選定したら良いでしょうか?
測定するトーチの方向により、適したサンプルと適さないサンプルがあります。
例えば、上水(飲料水・原水)の分析では、多少塩が入っていますが、アキシャル方向での測定で充分対応でき、ラジアル方向での測光と比較し、感度は約10倍向上します。
しかし、マトリックスや主成分元素が多量に混入したサンプルの微量元素や主成分元素の成分比を確認したい場合、アキシャル方向のトーチでは、うまく測定できません。 感度が高すぎるため、オーバースケールしてしまうだけでなく、アキシャル方向では、様々な干渉が影響して、波長によって値が異なる場合が出てきます。この様なサンプルには、ラジアル方向での測光が適しています。
このような理由から、両方向での測光可能な装置の方が、広範囲のサンプル測定に適していると言えます。
起動時
Q. 本体が通信エラーを起こし立ち上がりません。
対象製品:Optima 7x00
装置とパソコンをつなぐケーブルが正しく接続されているか確認してください。正しいようであれば、本体とパソコンの電源を切り、再立ち上げを行ってください。
Q. プラズマが点灯しません。
対象製品:Optima 7x00
Arの供給を確認してください。またトーチが正しく組みつけられているか確認してください。
Q. 装置とユーティリティを立ち上げる順番は?
対象製品:Optima 7x00
本体、Arガス、N2ガス、冷却水循環装置、コンプレッサー、最後にパソコン、ソフトの順で立ち上げます。
測定/分析
Q. 有機溶媒の試料をICPで分析したいのですが直接分析することは可能ですか
対象製品:Optima 7x00
可能です。溶媒によっては冷却チャンバー(オプション)が必要なものや、プラズマ維持が難しいものもあります。
Q. ラジアル測光とアキシャル測光の使い分けはどのように行いますか
対象製品:Optima 7x00
ラジアル測光は高濃度分析やイオン化干渉が起こる試料に対して、アキシャル測光は環境水など高感度分析をしたいときに使用します。もちろん1測定で両方向測光が可能ですから、データ比較もできます。
Q. フッ化水素酸を含む試料を分析したいのですが可能ですか
対象製品:Optima 7x00
耐フッ化水素酸導入キットを使用することで可能です。
Q. 水素化物発生装置ではどのような元素が分析可能ですか
対象製品:Optima 7x00
As,Se,Sb,Ge,Bi,Sn,Te,PbなどNaBH4により水素化物を発生させる事ができる元素です。測定元素により反応条件が異なります。
Q. 析メソッド作成時の元素ごとの波長選択の基準を教えてください
対象製品:Optima 7x00
WinLab32ソフトウェアには感度や干渉を考えた推奨波長を順位づけした波長表が入力されています。これを参考に上位3波長程度を選択していただき、測定後スペクトルプロファイルを見て、定量に使用する波長を選択してください。また、UDA機能を用いると全ての元素・波長を自動的にデータ取得しますので、メソッド作成時に波長選択を考えずとも、後から再解析し波長の取捨択一をする事が可能です。
Q. 検量線作成用の標準液の点数と濃度はどのように決めますか
対象製品:Optima 7x00
ゼロ点を含み3~4点程度作成してください。基本的には、未知試料濃度範囲をすべて含むような検量線である必要があります。
Q. 検量線の上限はどのくらいの濃度ですか
対象製品:Optima 7x00
元素にもよりますが数千ppm程度です。(ラジアル測光では数千ppm程度、アキシャル測光では百ppm程度)
Q. 超音波ネブライザーで高い塩濃度の試料は分析できますか
対象製品:Optima 7x00
目的元素以外に塩も高濃度に濃縮され導入されますので適していません。
Q. 沈殿のある試料は分析できますか
対象製品:Optima 7x00
ネブライザーの詰まりが起こらないように、濾過をしてから測定してください。
Q. トーチインジェクターの内径がいくつかありますが、この使い分けはどのようにするのですか
対象製品:Optima 7x00
通常は2mm、水素化物発生法では1.2mm、溶媒直接導入では0.8mmなど、分析手法によって最適なインジェクターを使いわけることができます。
Q. Hgランプの校正を実施しましたが、ピークが現れません。どうすればいいですか?
対象製品:Optima 7x00
分光器部スリットまたはシャッターが正しく動作していない可能性があります。一度、本体とPCの電源を落とし、再立ち上げを実施してください。それでも不具合の解消がされない場合、弊社コールセンターにお問い合わせください。
Q. 低波長側の元素について感度が得られません。どうすればいいですか?
対象製品:Optima 7x00
N2によるパージをhiパージモードに切り替え、十分に長く(3~4時間)、パージを行ってください。
Q. オートサンプラーを使用して測定するときに、サンプル情報ファイルのエラーが発生して測定できない。
対象製品:Optima 7x00
メソッド上のブランク、標準溶液とサンプル情報ファイル上のサンプルのオートサンプラー位置が重なって入力されている可能性があります。
Q. バックグラウンドの設定はどのようにすればいいですか?自動で設定してくれますか?
対象製品:Optima 7x00
お客様ご自身でピーク形状を判断し設定する必要があります。
Q. 測定終了後、装置電源は落としてもいいですか?
対象製品:Optima 7300
装置の電源を落とさないでください。
対象製品:Optima 7000
電源を落としても構いません。
Q. シェアガスでプラズマがゆらいで測定がばらつきませんか?
対象製品:Optima 7x00
影響はありません。
Q. メモリーがある場合の自動洗浄機能はありますか?
対象製品:Optima 7x00
オートサンプラーをご使用の場合、測定濃度が一定濃度を超えたときに洗浄をする機能があります。
Q. プラズマの自動点灯・消灯機能はありますか?
対象製品:Optima 7x00
自動点灯、消灯機能をOnさせる事により可能です。
Q. 測定結果が波長によって値が異なった場合の値の採用のしかた
対象製品:Optima 7x00
スペクトルプロファイルを確認し、分光干渉がないかを判断します。測定強度RSDが数%以内であるか、十分に強度があるか、他の波長の値と一致しているか、検量線の直線性などを総合的に判断することになります。
Q. 定性分析はできますか?それに要する時間は?
対象製品:Optima 7x00
定性・半定量分析が可能です。おおよそ1分、試料量1~2mLあれば測定できます。
Q. 干渉の種類と対策
対象製品:Optima 7x00
物理干渉、イオン化干渉、分光干渉があります。標準添加法、内標準法、マトリックス合わせをした検量線法などや、ソフト面ではバックグラウンド補正、MSF、IECなどを利用します。
Q. DL測定、その計算方法は
対象製品:Optima 7x00
検量線を作成後、ブランク溶液を測定しながらDL確認ボタンを押すだけで任意に3σや10σを算出する機能がついています。
メンテナンス
Q. トーチ管の洗浄方法について教えてください
対象製品:Optima 7x00
硝酸または王水に一晩漬置き洗浄します。または硝酸などで超音波洗浄します。ただし、超音波洗浄の際、トーチに傷が入っていると破損する恐れがありますので、十分にご注意ください。
Q. ネブライザーの洗浄方法を教えてください
対象製品:Optima 7x00
ネブライザーの後方にシリンジなどを接続し、先端側からゆっくりと純水を流し込みます。
Q. 冷却水循環装置の冷却水の交換の目安を教えてください。
対象製品:Optima 7x00
半年毎に交換してください。その際、必ず専用の冷却水をお使いください。
Q. 日々の装置の状態を確認するには何をチェックすればよろしいでしょうか?
対象製品:Optima 7x00
Mn軸調整の強度を目安に石英窓やインジェクターの洗浄を行ってください。
Q. 装置を購入して3年が経ちます。今までにメンテナンスは一度も実施していません。交換推奨部品はありますか?
対象製品:Optima 7x00
導入系の周り消耗品(O-リング)、チラー用冷却水、分光器やRF部のフィルターなどを交換してください。
Q. 冷却水循環装置の水が急激に減りました。足しても直ぐになくなります。これはどういったことでしょうか?
対象製品:Optima 7x00
冷却水循環装置またはOptima本体の周りに水は漏れていますか?漏れていない場合、冷却水循環装置またはOptima本体内部で水漏れを起こしている可能性があります。弊社コールセンターにお問い合わせください。
Q. エアーコンプレッサーについてメンテナンスは必要ですか?
対象製品:Optima 7x00
エアーコンプレッサーのドレイン抜きの際、水は出ていますか?出ていない場合、内部のフィルターを交換する必要があります。
ソフトウェア
Q. 分析結果をエクセルに出力することはできますか?
対象製品:Optima 7x00
csv形式での出力が可能です。
Q. ライブラリーって何ですか?
対象製品:Optima 7x00
WinLab32で作成、保存したメソッドと結果は、.mdbという拡張子のついたデータベースに保存、格納されます。それらデータベースのことをライブラリーと呼んでいます。
Q. ワークスペースって何ですか?
対象製品:Optima 7x00
メソッドやサンプル情報ファイル、開いているウィンドウの大きさ、配置を一括してワークスペースとして保存する事ができます。
Q. データマネージャーってどんなソフトですか?
対象製品:Optima 7x00
ライブラリーに保存されているメソッドや処理結果のコピーや削除をするためのアプリケーションです。
Q. UDAってどんな機能ですか?
対象製品:Optima 7x00
ライブラリー上の全ての元素・波長を自動的にデータ取得する機能です。これにより測定忘れや、メソッド作成時に波長選択の煩わしさがなくなります。いつでもどの波長でも再解析が可能です。
Q. 結果に表示されるサンプルのサンプル濃度単位を変更したい場合、どうすればいいですか?
対象製品:Optima 7x00
メソッド-標準液-サンプル単位にて濃度を変更することができます。
Q. 再解析した結果は保存できますか?
Q. バックアップについて(どのファイルをバックアップしておいたらよいか?)
対象製品:Optima 7x00
Dドライブ内、peフォルダと下記のパスにあるTablesフォルダをバックアップしてください。
D:\Program Files\WinLab32\Tables
Q. OptimaシリーズのICP発光分析装置で測定したスペクトルのデータは保存できますか?
できます。さらに、保存したスペクトルを用いたデータの再処理も行えます。このことによりメソッド設定のミスなどによる再測定の必要がなくなります。