Clarus 690 GC ガスクロマトグラフ

クロマトグラフのリアルタイム表示など簡単操作を実現した日本語液晶カラータッチパネル搭載。内蔵型液体オートサンプラーは2つの注入口に対応し、3種類のシリンジ(0.5µL, 5µL, 50.0µL)をサポート。

アプリケーション例

特長

SOFT cooling™ を活用した冷却システム

Clarus GC は高速冷却能をもつ高機能GC ですが、冷却速度によっては分析カラムへ大きなダメージを与えます。このため、SOFT cooling 機能を搭載しました。SOFT cooling 機能は、分析時の最高温度からの冷却を、50℃または100℃程度低い温度まで緩やかな冷却速度で冷します。これによりダメージを最小にします。

簡単操作の日本語液晶カラータッチパネル

GC分析に必要なすべてのパラメーターを日本語表示の液晶カラーから簡単に操作可能です。セプタム交換などのメンテナンスの時期を知らせることもできます。エラーメッセージ表示は、問題の解決方法を知らせてくれます。また、ON/OFF、終夜運転などの自動運転も可能です。

圧力プログラム制御(PPC)

PPC(Programable Pneumatic Control)を使用することにより、マニュアルガス制御では達成できない高性能と幅広い GC 分析が可能です。

幅柔軟性の高いデータ収集に最適なTotalChrom™ クロマトグラフィーデータハンドリングシステム

TotalChrom は、クロマトソフトウェア分野で数多くの賞を受賞した業界標準データハンドリングシステムです。21 CFR Part 11 や各種アルゴリズムに対応し、迅速、効率的に膨大なクロマトグラフィーデータを管理する場合に最適です。また、拡張性に優れており、Microsoft の Windows 環境で最大8台までを制御可能です。Clarus GC と組み合わせることにより、データ収集から分析、レポート、データ保存までの一貫したラボソリューションを実現でき、予算や技術的ニーズに最適なシステム構築が可能です。

幅広いアプリケーションに対応する各種インジェクター

幅広いアプリケーションに対応する温度プログラム・スプリット/スプリットレス・インジェクター(PSS)、プログラム・オンカラムインジェクター(POC)等から選択できます。

2チャンネル全自動液体オートサンプラー

82 検体(+1サンプル(優先))連続分析可能スイングタイプのサンプリングヘッドにより、2個のGC注入口に自由にアクセス可能。また、3種類の異なるサイズのシリンジ(0.5µL , 5.0µL , 50.0µL)を使用できます。シリンジ洗浄溶媒は最大2種類使用できます。またHSサンプラーを接続したまま、液体オートサンプラーを併用可能。

PreVent™ 機能

Clarus GC では、PreVent モードが使用できます。このモードはキャピラリー注入口または PSS(Programable Split/Splitless)インジェクターと PPC(Programable Pneumatic Control) のコンビネーションによりおこなわれます。分析回数の向上、難しいサンプルの分析、カラムの保護などに役立ちます。

  1. タイム・セーバーモード

    PreVent のタイムセーブモードは高沸点成分やカラム液相由来の不必要な成分を選択的に取り除くモードです。分析時間の短縮やシステムの安定性向上に役立ちます。

  2. 拡張溶媒パージモード

    ステップ1: 低温ライナーへ大容量サンプルの注入

    ステップ2: 低温ライナーから溶媒のパージ

    ステップ3: ホットライナーから分析対象成分の気化とカラムへの導入

    ステップ4: 分析中にライナーのクリーンアップ

    拡張溶媒パージモードは多量の溶媒がカラムや検出器に入るのを減少させます。ECD など、汚染に弱い検出器に最適です。また、大容量注入(LVI : Large Volume Injection)をおこなう際のシステムに対する溶媒の影響も減少させることができます

  3. バイパス・モード

    PreVent のバイパス・モードは、カラムにキャリヤーガスを流したまま、セプタムの交換が可能で、ダウンタイムを短縮できます。システム安定性に影響なくメンテナンスがおこなえます。インジェクターのメンテナンス後、システムはすぐに分析可能です。カラムの安定性や質量分析計のポンプダウンの必要がありません。カラムと検出器に影響を与えずに、次の高感度分析のために新しいセプタムのコンディショニングをすることもできます。

大容量サンプルインジェクション(LVI™)機能

Clarus GC の大容量インジェクションと溶媒パージ機能を組み合わせた PSS インジェクターにより、分離性能を維持し、大容量のサンプルを注入できます。低濃度サンプルの高感度分析が可能です。

高感度化

50µLの大容量サンプルの自動インジェクションは、高感度分析を可能にします。溶媒パージモードは分析対象成分がカラムに移送される前に、サンプル中の溶媒を排出します。従来の1~5µLに比べて、50µLの大容量注入(LVI)は、10倍から 50倍の高感度化が可能です。

サンプル前処理の低減

大容量を注入できるため、サンプル前処理を省略できます。溶媒を気化させて濃縮する必要がなくなります。これは大幅な分析時間の短縮になります。

標準ハードウェア

LVI は、50µLのサンプルまで、PSSインジェクターとオートサンプラーを併用できます。50µL以上のサンプルはマニュアルで注入できます。サンプル量の制限は、サンプルを受け入れる PSS ライナーの大きさだけです。

インジェクター

インジェクションの温度安定性をより向上させ、より精度の高い結果が取得可能

Wide range FID

より幅広いダイナミックレンジでの対応が可能

 

仕様

温度範囲 室温+4℃~450℃まで
サイズ 690(幅)×830(高さ)×820(奥行)mm
重量 69kg