更新日: 2025/2/7
GC分析において、その試料導入には様々な方法があります。今回のブログでは、LCを使用した導入について、ご紹介したいと思います。
LCを前処理として使用する方法
GC分析では、試料導入方法として、様々な方法があります。液体注入をはじめ、前処理装置を使用した方法も過去のブログで紹介してきました(詳しくは、「第7回 GC/MSの前処理装置(サンプラー)について」を参照してくださいね)。実は、LCも前処理装置として使用することができます。
ここでは、分取LC、ゲル浸透クロマトグラフィー/サイズ排除クロマトグラフィー(GPC/SEC)のシステムをLCの前処理装置として使用する場合について、ご紹介します。
前処理方法としての分取LC・GPC/SECシステムの使用って?
分取LCやサイズ排除クロマトグラフィーをGC分析の前処理として使用する場合、両者とも、複雑な試料中の目的成分を分離、不純物を除去することで、GCでの分離性能や検出感度を向上させます。
分取LCは、その名の通り、「分けて取る」ことが可能ですので、LCカラムで分離した成分を分取し、その溶液を濃縮することにより、GCへ導入する、という流れになります。
この時使用するLCカラムを、GPCカラムに変更することで、分子サイズに基づいた分離が可能となります。
このようなシステムを使用するメリットは、以下の点が挙げられます。
- 不揮発性成分の除去:GC分析に不向きな不揮発性成分(高分子量成分)を事前に除去可能。
- 複雑な試料に対応:食品や環境試料のような複雑なマトリックスにも対応可能。
- 高純度試料を準備:不純物や不要成分を除去することにより、GCでの正確なピーク分離や定量分析が可能。
これらのシステムは、食品分析や、環境分析、医薬品の開発にも使用されています。
LC300はGPCシステムとしても使用可能です!
弊社の新製品・LC300 Analytical は、GPC システムとしても使用することが可能です。

図1 LC300 Analytical
LC300 Analytical は、特許取得済みの「ユニディレクショナルポンプ」により、堅牢性と汎用性に優れています。また、「IDL インジェクションバルブ」を採用し、正確で再現のある注入が可能な装置です。さらに、GPC ソフトウェアと組み合わせることにより、試料の平均分子量や分子量分布などを求めることも可能です。

図2 GPCソフトウェア画面の例
詳しくは、パーキンエルマーのHPにも記載がありますので、ぜひ、ご覧ください!
次回は、GCカラムの選択とメソッド開発のポイントについてお話したいと思います。お楽しみに!
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