更新日: 2021/1/19
数年前、ヘリウム(He)ガスが不足し、安定した確保が困難な時期が続いておりました。最近になって、ある程度、安定に入手することが可能になってきましたが、いつ、また不安定になるかわかりません。
ICP-MS におけるコリジョンガスも主にHeガスが用いられています。
パーキンエルマーでは、新たなアプリケーションの開発を目標に He ガス以外のガスを用いたコリジョン法の検討を進めてきました。
産業技術総合研究所、関西学院大学と共同で検討した結果、ネオン(Ne)ガスがHeガスと同等の結果を得ることが出来ましたので、紹介します。
表1に、河川水標準試料を測定した結果を示します。
表 1 に示すように He、Ne どちらのガスもコリジョンガスとして精度の高い測定が可能であることがわかります。
次にこの測定を行った際の検出下限値を表 2 に示します。
以上のように Ne ガスを用いた測定においても He ガスと同等の検出下限値を得ることが出来ることがわかります。
また、Ne ガスは He ガスよりも少量で効果があることもわかります。
この内容は 2019年9月に開催された日本分析化学会第68年会にて発表したものです。
参考文献
日本分析化学会第68年会要旨集
J. Anal. At. Spectrom., 2020, 35, 2142–2147