前回のブログでは、スプリット/スプリットレス注入の概要についてお話ししました。スプリットレス注入では、ピークの広がりを抑える工夫が必要になります。今回のブログでは、ピークの広がりを抑えるための方法についてお話ししたいと思います。
溶媒効果と冷却トラップ効果ってなに?
スプリットレス注入時は、気化した試料が気化室からカラムに導入されるまで、数十秒を要していますので、長いバンド幅で試料が注入されることになります。そのため、シャープなピークが得られない現象が生じてしまいます。
そのような時に、【溶媒(ソルベント)効果】と【冷却トラップ効果】を利用することで、改善することができます。
【溶媒(ソルベント)効果】
カラムの温度を試料溶媒の沸点より20~30℃程度低く設定することにより、溶媒をカラム先端で濃縮させ、その溶媒層に試料成分を保持させることにより、ピークをシャープにする効果が得られます。
例えば、沸点70℃のヘキサンを溶媒とし、カラムの初期温度を70℃とした場合と、40℃とした場合では、40℃とした場合の方がシャープなピークが得られます。
【冷却トラップ効果】
カラムの初期温度と保持温度に十分な温度差(通常100℃以上)がある場合、カラムに導入された成分は、ほとんど移動せずカラム先端で停滞することになります。そのため、試料導入に時間を要しても、カラム出口ではその影響が無視できることになります。つまり、インジェクター内で広がってしまった成分は、カラム先端で縮まり、カラムの昇温によってシャープなピークが得られます。
JASIS 2024のお知らせ
9月4日から6日の3日間、JASIS2024が開催されます。今年もPerkinElmerは出展いたします!クロマトグラフィーのブースでは、ヘッドスペースサンプラーHS2400とGCMS2400を展示いたします。また、最近世間を騒がせている【PFAS】ですが、これらを分析する装置、LC-MS/MSのQSightシステムも併せて展示いたします。
また、新技術説明会では9月5日(木)11:00~11:30にTKP会場No.8にて新しいHPLC【LC300 Analytica】をご紹介いたしますので、ご期待ください!PerkinElmer Japanのスタッフ一同、皆様のご来場をお待ちしております。
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試料導入のイロハ~その4・サンプルの注入法の選び方~