サーマルデソープションシステムの便利機能 | クロマト分析 日々のQ&A - PerkinElmer Japan

サーマルデソープションシステムの便利機能

今回のブログではサーマルデソープションシステム(加熱脱着装置)の便利機能ついてお話ししようと思います。

再捕集機能(リコレクト機能)って?

 サーマルデソープションシステムの再捕集機能についてご紹介します。再捕集機能は、貴重なサンプルや再入手困難なサンプルに最適な機能です。これは、ATD 650 にのみ搭載している機能です。図1に通常モード(図1/左下)と再捕集モード(図1/右下)での流路図を示します。
 再捕集モードでは、2 段階目のトラップ加熱でスプリットして捨ててしまうサンプルをもう一度チューブに捕集することが可能です。ここで再捕集に使用するチューブは、元のチューブまたは新しいチューブから選択することができます。


図1 通常モード(左下)と再捕集モード(右下)の流路図

 

 高濃度サンプルを測定して「検量線範囲を超えてしまった・・・」となってしまった場合や、低濃度サンプルを測定して「感度が十分でなかった・・・」となってしまった場合に、そのミスをリカバリーしてくれます。再捕集機能があれば、貴重なサンプルでも万が一の際に安心できますね!

 

サンプルチューブとコールドトラップの劣化を確認するには・・・?

サーマルデソープションシステムで使用するサンプルチューブとコールドトラップは、消耗品ですので徐々に劣化してきます。「前回使用してから長い間使ってなかったけど、大丈夫かな?」という時に、ATD 650 には【インピーダンステスト】という機能が搭載されています(図2参照)。
 サンプルチューブやコールドトラップは、劣化するとチューブにガスを流した時にかかる圧力が変化してきます。チューブの交換時期の目安を立てることができ、管理されたチューブを使用することで精度の高い測定結果を得ることができる、便利な機能ですよ。


図2 インピーダンステストの画面

 

サンプルチューブのコンディショニングもできる!

 前回のブログでサンプルチューブのコンディショニングの重要性についてお話ししましたが、サーマルデソープションシステムで最大50本のサンプルチューブのコンディショニングを行うことができます。
 分析終了後にコンディショニングを行っておけば、次の分析もスムーズに進めることができますね。

 

 次回は、ガスクロマトグラフィーを用いた定性分析のコツについてお話ししようと思います。お楽しみに!

 

 

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