現在、様々な分野で金属ナノ粒子を用いた研究開発が盛んにおこなわれています。
その物性にはナノ粒子の粒径が大きく関与し、一方で、環境への放出による環境汚染、人体への影響等が問題視されています。
そのようなことからナノ粒子の粒径や濃度を管理することが重要となります。
そのナノ粒子の粒径と濃度、ICP質量分析装置で測定することができるのです。
ICP質量分析装置は主に金属の濃度を求めるために使用されています。
一般的には均一な溶液を噴霧し、プラズマへ導入し安定した信号を得ることができます。
この溶液の中にナノ粒子を分散させ、同様に噴霧し、プラズマへ導入します。
この場合、均一な溶液と異なり、ナノ粒子がプラズマへ導入された瞬間にスパイク状の信号が得られます。
この信号の高さはナノ粒子の大きさに比例しています。
つまりこのスパイク状の信号の強度とそれを検出した頻度から粒度分布を作成することができるのです。
ここで問題となるのは積分時間です。
一般的には数10m秒の積分時間で1回の測定を行います。
この条件では複数の粒子がプラズマを通過し、それらのスパイク信号の合計となってしまいます。
つまり平均的には大きな粒子が1個入ったようになってしまいます。
そこで重要なのは1回あたり100μ秒以下の積分時間で測定することです。
これを繰り返すことで精度よくナノ粒子1個からの信号を得ることができます。
更にこの時必要なのは専用のソフトウェアです。
ナノ粒子からの莫大な数の信号を処理するためには専用のソフトウェアが必要です。
ナノ粒子の粒度分布の測定にお困りの方、ぜひ、ご検討ください。
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なぜ、ICP質量分析装置での反応セルは四重極マスフィルターの方がいいの?