ナトリウムとカリウムをICP発光で定量できていますか? | ICP-OESラボのあれこれ | 無機分析ラボの日々のあれこれ - PerkinElmer Japan

ナトリウムとカリウムをICP発光で定量できていますか?

ICP発光で真値が得られにくい元素として、ナトリウム(Na)とカリウム(K)があります。これらの元素は周期表の左端にあるアルカリ土類金属です。ICP発光でこれらの元素が測定しにくい理由の1つとしてイオン化干渉があります。
Naの測定に利用する波長は589.592 nmや588.995 nmなど、Kの波長は766.490 nmなどがあります。これらはいずれも中性原子線になります。プラズマ内で元素は、中性原子とイオンとが平衡状態を保って存在しています。中性原子からの発光線を中性原子線(I)、イオン化されたあとの発光線をイオン線(II)と呼称しています(ソフトウェア内にはメソッド入力時に“I”や“II”と表記がありますので参考にしてください)。
NaとKはイオン化しやすいため、プラズマ内では大半がイオン化状態にあると考えられます。しかし、サンプルに共存する元素やNa、K自身がプラズマに導入されると、平衡状態は崩れてきます。NaとKはわずかに残った中性原子からの励起発光を見ているわけですが、プラズマ内の平衡状態が崩れると、容易に発光強度が変化してしまいます。このため、他の元素よりもNaとKは真値が得られにくい(他の元素の影響を大きく受けてしまう)のです。

この対策としては、イオン化干渉を受けにくいラジアル測光を利用する(図参照)こと、標準添加法や、マトリックスマッチングの検量線法イオン化抑制剤の添加などがあります。

この図は、K測定時のNa影響を調べたデータです。Na量が多くなるとイオン化干渉を受け、中性原子線であるKは感度が増感していることがわかります。ラジアル測光は比較的イオン化干渉を受けにくいことも分かります。

個人的にはラジアル測光で標準添加法を利用することが一番良いのではないかと考えています。

 

 

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