クロマトグラフには様々な種類がありますが、ガスクロマトグラフ(以下GC)と液体クロマトグラフ(以下LC)の違いは、以下のようになります。
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移動相 |
固定相 |
分析対象例 |
GC |
ガス |
液相・固体 |
高温下の蒸気圧でガス化する熱に安定した成分 |
LC |
液体 |
固体 |
液体に溶解できる成分 |
GCの移動相のガスは、ヘリウムしか使えないと思っていませんか?
実は窒素、水素なども使用できます。ただし水素は可燃性なので使用するときは火気厳禁です!
ヘリウムはボンベを使用することが多いですが、ボンベの圧力は常にチェックしておきましょう。
分析途中でヘリウムがなくなってしまったら、サンプル台無しです。
GCの固定相は、種類がさまざまで、キャピラリーカラムは膜の厚さも多数あり、さらにカラムの長さ、内径などにより分離が異なり、カラムの選択で分析の良しあしが決まる、といっても過言ではありません。
LCの移動相は、たくさんあります。水、メタノール、アセトニトリル、ヘキサンなどなど。そのほか塩の種類や濃度・pHなどで分離が変わってきます。
そしてカラムの固定相は、シリカゲルやシリカゲルに官能基をつけたもの、ポリマーなどがあります。
図.GCカラム・LCカラム
考えただけで、どうしたらいいか迷ってしまいますね。
まずは測定したい物質がGCとLCでどちらがいいか、から決めていきましょう。
ちなみにクロマトグラフは装置のことを指します。クロマトグラフィーは測定技法(方法)、クロマトグラムは得られた測定結果を指します。
次回はカラムの違いについて触れていきたいと思います。
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ガスクロマトグラフのカラムって何?