分解点? | 熱分析屋さんのつぶやき - PerkinElmer Japan

分解点?

今日は“分解点”です。たまに「この試料の分解点を知りたいので、熱分析を使いたい」という問合せを受けます。分解が質量減少として発現したら熱分析のTGやTG-DTAで測定できますよね。組成が変われば、GC/MSなんて方法もあります。熱分析で分解”点”を求めたい...これって無理なんです。今の熱分析って解析すると温度が出てくるので、そのまま使ってしまう人が多いみたいです。そもそも分解”点”って言葉のあるんでしょうか...
発火点、分解点、融点、ガラス転移点、沸点など温度にまつわる”点”は非常によく使われる文字です。この”点”の話はまたの機会につぶやきます。

さてと、今日は分解の話です。分解温度を知りたいとき、TGやTG-DTAを使うことも多いのではないかと思います。
この分解とTGの関係が曲者です。実はTGで得られる結果はよく考えないと全然違う結果になることがあります。試料量や試料の詰め方,雰囲気などみなさん気にされているみたいですが...それ以外にもいろいろあるんです。
同じ詰め方のサンプルを容器の高さの違う容器に変えて測定しただけで、なんと分解開始温度が違う...試料量が多いと分解温度が高温になるから当たり前と考えると大失敗します。たぶん間違いなく失敗します。図の減量曲線をよくみると、試料量が多いほうが低温(青枠:青線)で減量していますよね。雰囲気ガスの流量も昇温速度も一緒...こういった内容って教科書に書いてくれないみたいです。みなさんこんな時は機差だっていいますけど,同じ装置でもこんなにずれるんですよね、分解温度が。これって分解したガスが試料周りに残ってしまって、試料が減量できずにいるんですね。分解し始めると試料は濃度の濃い分解ガスにまみれているかもです。たとえば図の赤枠:赤線と青線を比べると、青線は燃焼の時でも温度が曲がらずにまっすぐであるのにDTAが発熱していたりしていますね。これってよく考えるとおかしな話です。赤線だと温度変化がDTAの発熱に対応していますよね。実際TG測定の場合、どうやってガスを抜くかが重要です。こういったことがどうやって測定していいかわからない原因かもしれません。特に燃焼の場合には酸欠だったり、温度曲線とTGやDTAと合わなかったり、はいろいろおかしなことが起きます。

筆者の場合、分解や燃焼をTGの測定するとき横軸を時間にして、確認しています。TG-DTAなら、温度曲線の微分がDTAと形(赤枠の温度曲線:赤とDTA:赤)が違うことが確認できます。燃焼の場合、試料近くで燃焼していないと、温度曲線の微分とDTAの位置がずれることがよくあります。こういった場合,酸欠や分解ガスがうまく抜けないことに起因することが多いため、ガス流量を上げる、試料量を減らす、昇温速度を下げるなどが有効です。これと試料容器の影響も忘れないようにするといいのではないかと思います。
今の熱分析は横軸温度にすることが多いですが、横軸を時間にして温度曲線もしっかりみると、測定条件が妥当かどうかわかってきます。

 

 

では、次回の“降温と昇温の違いは?”でお会いしましょう。

 

 

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