Glutomatic 2000 System グルテン量と品質測定 - PerkinElmer Japan

Glutomatic 2000 System グルテン量と品質測定

グルテン量と品質測定の世界的標準法

製パン、製麺、パスタの製造において小麦粉のグルテンの量と強さは最終製品の品質を決定します。Glutomatic System はグルテンの量と品質の測定における世界的な標準法です。
パン、クッキー、クラッカー、パスタなどに使用される小麦粉のグルテンの量と品質が与える影響はダイナミックです。断面写真などで見ても小麦粉のウェットグルテン量がパンの体積に明らかに影響することが分かります。Glutomatic System を用い、小麦と小麦粉の製パン品質を測定することができます。

  • グルテンの量と品質の測定 - 最終製品の品質向上に役立ちます
  • 世界的な公定法 - 取引が契約通り履行されたことを確認できます
  • 小麦にも小麦粉にも - 小麦でも小麦粉でもグルテンの特性を測定できます
  • 実際のグルテンの量を測定 - グルトマティック法での測定でのみグルテン量を測定できます。たんぱく質の量はグルテンの特定を反映しません。

 

グルテンについて

グルテンは機能成分で小麦や小麦粉のドウ特性や加工特性を確定します

グルテンは 2 種類のタンパク質”グルテニン”と”グリアジンから構成されています。ドウが形成されるとき、実際にグルテンが形成されます。そのためドウの形成なしでグルテンを測定することはできません。小麦粉と水、そして混練がグルテン形成の条件です。図のようにグルテニンとグリアジンの間に S-S 結合が生まれます。

 

総グルテン量とタンパク質量には相関がありますがタンパク質は定量測定で、タンパク質の品質の指標にはなりにくいです。タンパク質量が品質を指標出来ないいくつかの状況があります。:

  • 生育条件の年次変化
  • 小麦の年次変化
  • 小麦または小麦粉のブレンド
  • 熱によるダメージ
  • 虫害
  • 酵素活性

報告されたタンパク質含量が、別の一連の試験で必要とされる品質を示さない場合、これらの背景が考えられます。Glutomatic System は以下のタンパク質の品質について測定するためにデザインされました。:

  • ウェットグルテン量
  • ドライグルテン量
  • グルテンの水結合
  • グルテンインデックスによるグルテンの強度

 

Glutomatic System

Glutomatic System は以下から構成されています。

  • Glutomatic 2200
  • Gluten Index Centrifuge 2015
  • Glutork 2020

またサンプルの粉砕にはラボミルのモデル LM 3100 または LM 120が必要です。

 

Gluten Index グルテンインデックス法の解説

グルテンインデックス法の紹介と解説をご覧いただけます。

 

特長と利点

Glutomatic System は世界中の穀物取引、製粉、育種、パスタ・麺類の製造の現場で数千台が稼働しています

グルテン量と質の測定

最終製品の品質を向上させるためには原材料のグルテン仕様が適切である必要があります。原則、グルテン量が高いほどパンの容積は大きくなります。

 

世界的公定法

小麦・小麦粉の国際取引においてグルテンの量と質の測定にはグルトマティック法が指定されています。買い手と売り手が国際的な標準法を用いることで合意が実現します。Glutomatic System は以下の標準法として承認されています。:

  • AACCI 38-12.02
  • ICC/No. 137/1, 155 & 158
  • ISO 21415-2, 21415-4
  • GAFTA Method 34:2

 

使いやすさ

特別な技術がなくても安心してお使い頂けます。

 

小麦粉にも小麦にも

Glutomatic を使って小麦のグルテンの特性を測定するために製粉する必要はありません。グルテンインデックス法は小麦粉にも粉砕した全粒にも使用でき、時間とコストを節減します。

 

迅速測定

測定は10分で行えます。

 

正式なグルテン測定法

全グルテン量はタンパク質に相関します。しかし、高タンパク質であってもグルテンが少なかったり弱かったりするケースは多くみられます。Glutomatic はグルテンの特性を知るための唯一の方法です。

 

グルテンインデックス法

概要

Glutomatic 2200 グルテン・ウォッシャーで全粒粉、小麦粉のウェットグルテンを分離します。グルテンインデックス用 Centrifuge 2015 が専用にデザインされたシーブカセットを通過させるために用いられます。シーブを通過するグルテンの相対量がグルテンの特性を指標します。ウェットグルテンはGlutork 2020 を用いて乾燥することで、ドライグルテンやグルテンの水和の計算に用いられます。

 

手順の詳細

  1. 秤量
    10g±0.1g の全粒粉又は小麦粉を秤量し、88 μm メッシュのシートを入れたウォッシュチャンバーに投入します。バイタルグルテン粉を測定する場合は、1.5g±0.01g で秤量してください。
  2. 塩水添加
    4.8 ml の塩水を全粒͡粉または小麦粉に加えます。バイタル小麦グルテンには塩水は使用しません。
  3. 混合
  4. 全粒粉または小麦粉と塩水が 20 秒間混練され、ドウが形成されます。
  5. 洗浄
  6. ミキシングが終わると洗浄が開始され、5 分間継続します。全粒粉の測定では 840 ミクロンのシーブをセットしたチャンバーに移し換えてふすまの粒子を水洗します。
  7. 遠心分離
    Centrifuge 2015 を用い、洗浄の終了から正確に 30 秒後に専用のシーブカセットにウェットグルテン隗を移して 6000±5 rpm で 1 分間、遠心を行います。
  8. 計測
    シーブを通過したウェットグルテンを専用のスパチュラで回収して重量を量ります。後にシーブを通過していない部分も回収し、全体の重量を量って記録します。
  9. 乾燥
    ウェットグルテンを直ちに乾燥します。150 °C で4 分間、Glutork 2020 を用いて乾燥します。乾燥後のグルテンを秤量します。
  10. 計算
    遠心後のシーブに残ったグルテン量の総ウェットグルテン量に対する割合がグルテンインデックスです。

基本仕様

一般
電源 115/230 V, 50/60 Hz
消費電力 Glutomatic 2200 : 185 W
Centrifuge 2015 : 90 W
Glutork 2020 : 840 W
サイズ(H x D x W)
415 x 300 x 400 mm
重量
Glutomatic 2200 : 24 kg
Centrifuge 2015 : 9 kg
Glutork 2020 : 2 kg
環境温度
5-35 ℃
環境湿度 35-80% RH * 結露は避けてください
測定
サンプル 小麦、小麦粉、デュラム、セモリナ粉、バイタルグルテン
測定項目 グルテンインデックス、ウェットグルテン、ドライグルテン、水結合

 

アプリケーション

パン、パスタ・麺類などドウを基本にした製品は小麦粉中のグルテンの量と品質に大きく依存します。育種から製パンまで小麦の流通に関わるすべての人にとってGlutomatic Systemによるグルテン特性の測定と管理は有益な情報となります

育種

小麦粉を抽出することなく、機能的プロパティを早い段階で測定できることによって、育種では適性な株の選抜に役立ちます。

 

穀物取引

様々な用途に使われる製品の安定供給や取引における利益を最大にするために入荷する小麦のグルテン量と品質は基本的な情報です。簡単に、迅速に区分を行う方法として用いることが出来ます。

 

製粉

高品質の製品を低価格で販売することを防いで取扱いマージンを最適化し、製粉会社は顧客の要望に合わせて小麦粉のブレンドを行うことができます。グルテンインデックス法ではウェットグルテンの量を、それにフォーリングナンバーの結果を組み合わせることで製粉会社は製パン品質を迅速に予測することができ、テスト製パンの必要性を少なくすることができます。

 

製パン

グルテンのプロパティと構造は以下の目的で重要です。:

  • 生地の形成
  • 発酵、焼成中のガスの保持
  • カマ伸び
  • ローフの形成と保持

製パンの品質はデンプンとタンパク質の特性の両方に関係しているためフォーリングナンバーと Glutomatic の結果の組み合わせは製パン品質の測定として理想的です。グルテンの量と質の情報を得ることで、一定の品質の中で最適なグレードの原料を使用することができます。最高品質の原料を用いることでコストの高いバイタルグルテンの使用を最少化し、実質のコスト削減することができます。

 

デリュラム粉およびパスタ

作柄のレポートでは重要な品質の指標としてグルテンインデックスが世界的に盛り込まれています。パスタの製造においてもグルテンは以下の点で重要な影響をおよぼします。:

  • 粘りの少ないドウの形成
  • 希望の加工特性の実現
  • 加工の安定性と調理安定性
  • 希望の調理特性を有する製品の入手