WEEE/RoHS ユニークな高質量四重極GC/MSと臭素系難燃剤 - PerkinElmer Japan

ユニークな高質量四重極GC/MSと臭素系難燃剤

EU指令による家電製品中の難燃剤の規制(2006年7月)まで、残された期間が2年以下になりました。製品開発・調達・製造のサイクルから多くの該当企業が2004年末をターゲットにしています。

 

 パーキンエルマーは製品の高質量四重極GC/MS分析装置により2001年以前から高質量化合物の成分分離と定量を行ってきました。その中でも、 PBDE(ポリ臭素化ジフェニルエーテル)(特に、高質量の10臭素化ジフェニルエーテル(DecaBDE、分子量960(精密質量959.17))のク ロマトグラフ分離と質量スペクトルの精密な評価を報告しています1)。以来、学会その他で分離条件、質量分析の負イオン化 (NCI)法の検討などを発表し、臭素系難燃剤分析ユーザーをサポートしています。最近の成果は、分析化学(2004年5月号)に掲載されています2)
 臭素系難燃剤含有プラスチックの前処理と同時に、臭素系難燃剤の精密GC/MS分析に不可欠な機器として、質量1200まで対応可能な高質量四重極 GC/MSがあります3)。パーキンエルマーのGC/MS製品のTurboMass, TurboMass Gold, Clarus 500 GC/MSは開発の時点で、最高質量数1200を基本性能としています。高質量の標準でありますtris(perfluoroheptyl)-s-triazine (質量1185)のフルスペクトルを利用して質量校正ができます。さらに、実質的な高速スキャン能力のために、SIM分析(選択イオンを使った測定)で も、フル質量スペクトルを取得することができますので、種類、異性体の多い臭素系難燃剤の定量・同定に適した装置です。
  また、パーキンエルマーは総合分析機器メーカーとして、FT-IR分光分析法を利用した赤外スペクトルによるDecaBDEの検討もおこなっております。 モデル物質を作成した研究を高分子討論会(2004年9月17日、北大)で報告しました。弊社技術資料4)にプラスチック成形品中 の 臭素系難燃剤のFT-IR分光分析法による定量に関する検討が示されています。

 

参考文献

1)K. Usukura, T. Seko, N. Onda; Anal. Sci., 17(Suppl.), i1579 (2001).
2)臼倉 浩一, 世古 民雄, 恩田 宣彦; 分析化学, 53(6), 615-622(2004).
3)臼倉 浩一, 世古 民雄, 恩田 宣彦; 家電用プラスチック中の臭素系難燃剤の分析,
Application Note (PerkinElmer Japan), AN1345J-GCMS (2004).
4)大西 晃宏, 辻井 哲也, 森本 光彦; プラスチック成形品中の臭素系難燃剤のFT-IRによる定量,
Application Note (PerkinElmer Japan), AN1340J-IR (2004).