カラムをGCに取り付ける時のコツや注意点ってあるの? | クロマト分析 日々のQ&A - PerkinElmer Japan

カラムをGCに取り付ける時のコツや注意点ってあるの?

 カラムを GC に接続するとき、どのように取り付けていますか?「カラムを GC に接続する」と言うのは簡単ですが、実際にカラムと装置を前にすると、なぜか緊張しますよね(私だけでしょうか?!)。
 今回のブログでは、キャリラリーカラムを GC に取り付ける際のコツや、注意点ついてご紹介します。

 

カラムの方向って?

 キャピラリーカラムは、カラムの内面に液相がコーティングされていて、基本的には均一性が保たれています(詳しくは、第2回ラボブログ「ガスクロマトグラフのカラムって何?」の回を再確認してみて下さいね)。
 そのため、キャピラリーカラムの入口側、出口側という区別はありません。ただし、カラムを一度使用すると、汚れは入口側に集中するため、使用し始めたら、キャピラリーカラムの入口側(注入口側)と出口側(検出器側)は区別して使用するようにしましょう。

 

カラムを接続するときに注意することは?

 カラムを注入口や検出器に接続するとき、「どの程度挿入するか」を決める必要があります。これは、GC メーカーによって異なりますので、マニュアルを確認してみて下さい。
 まずは注入口側で、カラムの先端位置が適切でなかった時の現象について説明します。 図1にインジェクターの簡略図を記載しましたので、こちらを参考にしながら、確認していきましょう。


図1 インジェクターの簡略図

 

 カラム先端位置が高すぎてしまい、マイクロシリンジで注入した時の針の先端よりカラム先端の位置が上部にある場合は、どのような現象が起きるのでしょうか。スプリット分析の場合、注入したサンプルがスプリット出口から排出されてしまうため、カラムに導入される量が少なく、ピークが小さくなってしまうことがあります。
 逆に、カラム先端位置が低すぎてしまった場合はどうでしょうか。注入口底部の温度がカラム初期温度に影響を受けて低くなり、高沸点化合物のピーク面積が小さくなったり、再現性が低下したりする現象がみられることがあります。

 では次に、検出器側を考えてみましょう。FID や MS 検出器は、ノズルやイオン化室に直結してカラム出口直後で検出される位置が理想です。この位置が適切でないと、感度や再現性の低下、ピーク形状が不良となることがあります。

 

カラムの挿入位置を「目で見て」決めよう!

 注入口や検出器への挿入長さが分析結果に大きく影響することをご理解いただいたかと思いますが、PerkinElmer の GCでは、「ユーザーフレンドリーな装置」として、誰でも簡単に装置を取り扱うことが可能です。
 MS検出器を使用時に、カラムの挿入位置を決める時の操作を例に挙げてみましょう。下図に示すような【カラム調整眼】を使用して、自分の目で見て、カラムを接続できます。自分の目で確認できるので、安心ですね。適切な位置で接続し、最適な状態で装置を使用したいですね。


図2 カラム調整眼(左)と挿入長さの確認写真(右)

 

JAISIS 2023 のお知らせ

 JASIS 2023 が 9月6日から 8日の 3日間、幕張メッセ国際展示場で開催されます。クロマトグラフィーのブースでは、新製品・GC 2400 シリーズとして GC/MS 2400 SQ とヘッドスペースサンプラー HS 2400 を展示します。本装置は、展示会で初お披露目になりますので、ご期待ください!

 その他、現在話題となっている PFAS 分析に対応可能なトリプル四重極型液体クロマトグラフ質量分析計なども紹介します。
 また、今回は特別にクロマトグラフィーのブースにお立ち寄り頂いた方には、ブース来場者特典もご用意しております!!PerkinElmer のスタッフ一同、ご来場をお待ちしております。

 

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