新品のカラムはそのまま使って大丈夫? | クロマト分析 日々のQ&A - PerkinElmer Japan

新品のカラムはそのまま使って大丈夫?

 新品のキャピラリーカラムを購入して、いざ、分析開始!でも、ちょっと待ってください。新品のキャピラリーカラムを使用する前には「準備」が必要です。
今回のブログでは、新品のカラムを使用する前の手順についてご紹介します。

 

新品のカラムをゲット!分析開始の前に・・・

 カラムを購入すると、カラムの入っていた箱の中には、カラムの性能検査のために実施した混合標準試料の測定データや、カラム情報が記載された紙が同封されています。まずは、その同封されている内容をよく確認しましょう。
 次に、カラムの「コンディショニング」を行います。ここでは、一般的なコンディショニング方法を説明しますが、カラムの種類によっては、コンディショニング方法が特殊な場合もありますので、同封されている説明書を確認してみてくださいね。

【カラムのコンディショニング手順】

  1. カラムの注入口側にフェラルを通して、カラムの先端を約 5 cm 程度カットします。
  2. カラムを注入口に接続し、カラムへのキャリアガスを約 1 mL/min、スプリットは 50 mL/min 程度に設定します。このとき、カラムは注入口のみに接続します(検出器側は接続しません)。
  3. 室温の状態でカラムの中を十分にキャリアガスで置換(1 時間程度)し、カラム内の水分や酸素を追い出します。
  4. 注入口温度を分析温度に、オーブンの初期温度は室温程度で 3-5 ℃/min 程度で、最終分析温度より 10 ℃高め又はカラム最高使用温度のどちらか低い方の温度まで昇温します。最終温度では、30 分程度保持します。
  5. ランが終了し、オーブン内が室温程度まで下がったら、検出器側も同様にフェラルを通してカラムの先端をカットし、検出器に接続します。
  6. 同様の分析条件で再度昇温し、ベースラインの状態を確認します。以前に使用していたカラムのデータがある場合は、そのデータと比較して再現性を確認します。ブリードが高い場合は、再度コンディショニングを行ってください。

 

 カラムの「コンディショニング」は、新品カラムの性能と寿命に大きく影響を及ぼします。手順が多く、大変ですが、正しいコンディショニングを行って、最適な状態でカラムを使用したいですね。

 

フェラルをカラムに通した、その後は?

 コンディショニング手順の説明でも記載しましたが、フェラルをカラムに通した後は、カラムを数センチカットしましょう。カラムがフェラルの内壁を削ってしまい、フェラルの微小な屑がカラムに入り込んでしまう可能性があります。
 フェラルの微小な屑がカラム内にあると、ブリードや吸着の原因となる場合があります。特に、フェラルの材質が柔らかいグラファイトフェラルを用いている場合は、気を付けてくださいね。

 

カラムのカットは正しくできている?

 さまざまな作業行う、カラムのカット。専用のカラムカッターを使用してカラムをカットしますが、正しくカットしないと、分析結果に影響します。特に入口側のカラム切断面の状態は、分析結果に与える影響が大きいため、切断後はルーペ等を使用して確認するのがおすすめです。
 図1にカラムをカットした際の切断面について、良い例と悪い例を示します。切断面は、垂直になるようにカットしましょう。


図1 キャピラリーカラムの切断面

 

 次回のラボブログでは、「カラムを接続する際の注意事項」についてお話ししたいと思います。お楽しみに!

 

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