ELAN DRC-e ICP質量分析装置

ELAN DRC-eは環境分野で定量が困難なCr, Fe, Cu, Zn, As, Se, Cd, Pb等の超微量元素分析に最適な高マトリックス対応のICP質量分析装置です。
ホットプラズマ条件とダイナミックリアクションセルに「メタンガス」を用いるだけで,多原子イオンを完全に除去できます。検体ごとにマトリックスが異なっても1つのメソッドで測定が出来ます。また、目的対象元素全て(微量元素・高濃度元素)が同時に定量できることは非常に重要なポイントです。さらに、B(ホウ素)などのメモリーの問題をクリアすることにより,定量値に対する正確さや精度が増します。
![]() メンテナンスが容易な 耐フッ酸製のサンプル導入系 |
- DRC分子イオン除去システム搭載
従来型ICP-MSでは、環境試料中の分子イオン40Ca16OがFe定量値に大きな誤差となります。セルガスを最適化することにより、Arとの結合で生成される多原子イオンのみならず40Ca16Oも除去できます。さらに、目的対象元素の感度を落とすことなく、正確で精度よい定量値を得ることができます。 - アルカリ、アルカリ土類金属を含む高濃度域定量が可能
ホットプラズマ測定条件下のまま、セル内四重極分解能を変化させることで各質量に対し任意の感度に設定できるため、環境試料におけるCr、As、Se、Cd、pbなどの微量成分から、Na、K、Ca、Mgなどの高濃度成分までを同時に定量できます。 - 超高感度
環境基準項目などで定量すべき目的対象元素定量下限値1/50までの超高感度化を達成しました。 - 様々な試料に対応するサンプル導入系
ELAN DRC-eのサンプル導入系には、スコット型チャンバー及びクロスフローネブライザーを搭載。インジェクターはアルミナ製のため様々な試料(HF処理など)に対応できます。 - 先進の特許技術
ダイナミックバンドパスチューニング、Axial Field Technology™、セルのプラズマガスからの汚染を防ぐShadowStop™およびAutoLens™等により、他のコリジョンセルでは到達しえない干渉低減能力と安定性が、あらゆる分野においてICP-MSの新標準として認可されています。 - WindowsXP上で動作する日本語ソフトウェア
測定条件画面のみならずヘルプ画面まで全てが日本語表示です。どなたでも容易に操作することができます。 - 自動測定条件設定ソフト「SmartTune™」
従来型ICP-MSで測定条件を設定する場合、個々のパラメータを設定した積み重ねで条件設定が完成していました。「SmartTune™」ソフトウェアは、各分野対応の測定条件を自動で設定してくれます。 - 上水試験法対応高機能オートサンプラー(オプション)
精度管理ソフト(標準)との併用で上水試験法対応の精度管理が出来ます。さらに、高濃度試料測定後のメモリーチェック機能も完備されています。 - HPLC/ICP-DRC-MS対応(オプション)
微量元素の生命に対する必須性や毒性はその化学形態と密接な関係があり、環境、生体中における元素の全量のみならず、その存在形態や役割について知見を得ることが重要です。そのためには、ルーチン分析出来るシステム(例、Asの8形態分離測定時間5分)が不可欠です。

ダイナミックリアクションセル(DRC)の効果(CaOの除去)
図1は、Ca,20mg/L中の56FeのDRCセルガス(メタン)最適化例を示しています。従来のICP-MSでは、環境試料中の鉄を測定する際、多原子イオン40Ca16Oが生成され定量値に誤差をまねいていました。ダイナミックリアクションセルにメタンガスを流すことにより、40Ca16Oを除去し、ブランク(20mg/L,Ca)と標準溶液(10ug/L添加)の差を明確にすることができます。

図1:Ca20ppm中のFeの分析-DRCによる効果
高濃度域元素(Naなど)の測定
高濃度域元素も希釈を行うことなく微量元素と同時に測定することが可能です。図2は、スタンダードモード(高濃度測定モードなし)とDRCモード(高濃度測定モードあり)での23Naの検量線を比較したものです。スタンダードモードでは、最大で数100µg/L程度までしか検量線の直線性は得られません。他方、DRCモードの場合、セル内四重極電圧を変化させることで数100mg/Lまでの検量線が引けます。このようにホットプラズマ条件のまま、任意の感度に設定することが可能なため、環境試料におけるCr,As,Se,Pb,Cdなどの微量元素から、Na,K,Ca,Mgなどの高濃度域元素も同時に測定することが可能です。


※DRCの通常使用範囲外の条件を用いることに
より、感度を調整することが可能です。
メモリー除去効果
低濃度元素と同時にmg/Lオーダーの元素またはマトリックス成分を測定した後でのホウ素やヨウ素などのメモリーが問題になります。図3は、ホウ素(10mg/L)などの高濃度標準液(S1)を噴霧し、洗浄5分後に1/1000濃度(10µg/L)の標準液(S2)を測定しました。その後、超純水(S3)を測定した結果を示しています。試料導入系は、検体数が多い試験機関に要求される「メモリーの最優先除去」及び「長時間安定性」を基本として開発されています。

図3:各元素のメモリーの影響
■仕様 |
| 質量範囲 | 1-270amu |
| 試料導入部 | クロスフロー型ネブライザー スコット型スプレーチャンバー アルミナ製インジェクター |
| DRC部使用ガス量 | 0-3mL/分マスフロー制御 |
| 検出部 | 2ステージディスクリート形 SimulScan™同時検出 |
| サイズ/重量 | 990(幅)×1170(高さ)×730(奥行)mm, 295kg |

