ビスフェノールAの潜在的リスクを探る | Stories - PerkinElmer Japan

ビスフェノールAの潜在的リスクを探る

プラスチックの時代

「プラスチックは有望だ」―1967 年の今や古典とも言える映画、『卒業』で、主演のダスティン・ホフマン扮する若者が耳にしたこの言葉、つまりプラスチックの時代、は今や現実となりました。私達は今まさにプラスチックの世界に生きています。自宅の配管から歯の詰め物、食べ物や飲み物の容器まで、プラスチックはありとあらゆる場所で使われており、ニュースにもしばしば登場します。

2006 年には、BPAと呼ばれる物質の健康被害についての注意喚起がありました。特に胎児、乳幼児へのリスクが懸念されています。(参考資料:米国医師会誌の記事、Canned Soup Consumption and Urinary Bisphenol A: A Randomized Crossover Trial(缶入りスープの摂取と尿中ビスフェノールAの因果関係を調べる無作為交差試験)」)そもそもBPAとはどういったものでしょうか? ビスフェノールA由来のエポキシ樹脂で、ポリカーボネートの主成分になっています。ポリカーボネートはコンタクトレンズ、CD、食品容器、さらには水のボトルやほ乳瓶など、多種多様な市販品に使用されている硬くて透明なプラスチックです。この種の報告書が発表されてからというもの、安全な使用量に関して相反する意見があるため、BPAは最も研究と議論の対象になっている化合物の1つになっています。

研究と議論の継続

一部の科学者はBPAと喘息、がん、不妊、生殖器異常、心臓病、肝臓病、ADHDなどの病気との関連性を指摘しています。ミズーリ大学コロンビア校でBPAの研究を行っている生物学者、Fredrick vom Saal博士は、先ごろMother Jonesの雑誌のインタビューで「あらゆる病気との因果関係を疑っています。」と語っています。関連性を指摘しているのはvom Staal博士だけではありません。38 名の科学者が、動物実験で健康被害が実証されており、人間でも同様な被害の可能性があるBPA量を、先進国の95 %の人が摂取しているというコンセンサスを発表しています。ここで疑問があります。安全なBPA使用量はどうやって決まるのでしょうか?

EU高官は食品へのBPA溶出量の上限を1 mg/Kgと定めて、BPAの問題に積極的に取り組んでいます。また子供向けのおもちゃについても、先ごろ0.1 mg/1 BPAの上限溶出量という非常に厳しい規定を設けました。米国食品医薬品局(FDA)は2012 年にほ乳瓶やシッピーカップ(幼児用の蓋付カップ)でのBPAの使用を禁止しましたが、食品への溶出や、プラスチック製のおもちゃを口に入れることで摂取されるBPA量について、規制や制限を行う必要性を裏付けるデータは見付かっていません。そのため、FDAによるBPAの摂取制限量は1 日50 mg/kgで、ヨーロッパでの制限値より大幅に高く設定されています。

科学の力で安全性を高める

パーキンエルマーの科学者達はAxION® 2 TOF 飛行時間型質量分析装置Flexar™ FX-10 UHPLCシステムを使用して、缶詰の食品とプラスチック製おもちゃのBPA量測定方法を開発しています。この2 つの装置は、10 億分の1 の単位まで、ごくわずかなBPAでも検出できるという大変優れた装置です。10 億分の1 の精度とは、ポテトチップス10 トンに対して、塩一つまみというレベルに匹敵します。

世界中の研究者がBPAのような健康被害が疑われる化合物の分析を進めており、現代社会にこれほどまで広く普及した合成エポキシ樹脂に代わるものを模索しており、そのような代替品が見付かるまで、パーキンエルマーのAxION 2 TOFやFlexar UHPLCといった高度な科学分析装置が、見栄えや味だけでなく、安全に摂取、利用できる製品を作れるように世界中のメーカーをサポートしています。

 

*本製品についてのお問い合わせはweb窓口または弊社ディスカバリー・アナリティカル・ソリューションズ事業部 分析機器営業本部045-339-5861までお問い合わせください。