無機分析サンプリング装置 FAQ一覧 - PerkinElmer Japan

FAQ -無機分析サンプリング-

Q1. FIMSとは何でしょうか?

全自動フローインジェクション水銀分析装置です。 フローインジェクション方式での分析ですので、わずかな試料量での高感度分析が可能です。1サンプルあたり、わずか1mLの試料量で、たった1分で分析が終了し、しかも検出限界は0.001µg/Lを達成しました。
さらにオートサンプラーを使用して全自動で多くの試料を迅速に分析することができます。原理は還元気化原子吸光分析法ですので、JISにももちろん対応しています。

 

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Q2. マイクロ波分解法とはどういうものですか?

原子吸光分析装置やICP発光分光装置、ICP質量分析装置などにおいて、固体試料を分析するために、試料を溶液状にする手法のひとつです。 マイクロ波を用いて試料を加熱し、分解します。マイクロ波は300MHz~300GHzの電 磁波です。皆さんのご家庭にある電子レンジと原理は同じです。マイクロ波は物質 に対して、反射(金属など)、透過(ガラス、プラスチックなど)、吸収(水など)の3つの反応を起こします。マイクロ波は、試料の容器に対しては通過し、試料に対しては吸収されます。この吸収とは、マイクロ波によって試料内の分子が振動し、マイクロ 波のエネルギーが熱に変換され物質に蓄えられることで、結果として物質が加熱された状態になります。従いまして、ホットプレートなどのように容器を介して試料を加 熱するのとは異なり、マイクロ波は直接試料を加熱します。その為、高速で安定した均一な加熱が可能となるのです。

 

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Q3. マイクロ波分解での加熱後、容器の冷却はどのようにしているのですか?

分解後、容器は加熱されているため、通常すぐに直接触れることはできません。そのため、冷却ステップが必要になりますが、弊社装置 のMultiwaveは冷却ファンを内蔵してお り、分解後冷却されます。また、セキュリティー冷却機能を備えており、分解後50℃ 以下にならなかった場合、その温度以下になるまで冷却されます。

 

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Q4. 原子吸光分析やICP分光分析で使用されるマイクロウエーブ分解装置は、高圧条件下で使用するので危険と聞きますが、装置の安全性は本当に確保されていますか?

安全性を確保するには、全試料容器の分解時の圧力をすべてモニターし、設定圧を越えた場合にはマイクロ波の出力を下げるといった機能が必要になります。マルチウェーブでは、単なるモニターとして圧力を検出しているのでは無く、分解時の実際のガス圧を直接検出し、出力制御にフィードバックしています。さらに、機構的に圧力センサー等を容器内部に挿入する事が無いので、コンタミ等の心配が全くありません。他社の装置は、参照容器(1個)と呼ばれる圧力センサー付容器に分解用の酸を入れ(試料は入れない)、圧力を検出しています。この方法では、実際の試料容器のガス圧が検出されていませんので、真の安全性を確保する事が出来ません。

 

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Q5. マイクロ波分解装置を使って、サンプルの分解をしたいのですが、試料の分解の際に用いる分解容器に使用上の制約などはあるのでしょうか?

分解容器は各種取り揃えています。下記の表をご覧ください

同時8容器 同時16容器 同時48容器
XQ80 XF100 HF100 MF100 MF50
特長 ・高温高圧耐性容器
・超微量分析用
・有機、無機試料分解
・高温高圧耐性容器
・HF分解用
・有機、無機試料分解
・中圧耐性容器
・HF分解用
・有機試料分解用 ・有機試料分解用
・多検体同時処理
容量 80ml 100ml 100ml 100ml 50ml
材質 石英 TFM TFM TFMまたはPFA PFA
操作圧力 8MPa 6MPa 4MPa 2MPa 2MPa
最大圧力 12MPa 12MPa 7MPa 7MPa 7MPa
最大温度 300℃ 260℃ 240℃ 200℃ 200℃
分解
試料量
100-1000mg 100-1000mg 100-1000mg 100-1000mg 50-500mg
応用例 ・オイル・グリース
・プラスチック
・食品(高脂肪)
・プラスチック
・セラミックス
・対火性物質
・生体試料
・金属・合金
・岩石・ガラス
・食品(低脂肪)
・廃水・下水
・土・底質
・食品(低脂肪)
・廃水・下水

 

材質はフッ素樹脂と石英の2種類を用意しています。フッ素樹脂のものは耐薬品性が高く、ふっ化水素酸の使用も可能です。一方石英製では、ふっ化水素酸を使用することはできませんが耐熱性・耐圧が高く硫酸を使用した高温分解を行うことができます。多検体同時処理が可能な中圧・低圧分解容器などが用意されています。

 

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