LiNixMnyCo1-x-yO2（NMC）などの正極材料は、電池の性能を向上させるための最も有望な材料の一つとして考えられています。これらの材料の性能と品質は、Ni-Mn-Co とLi の比率、および材料中の不純物によって大きく影響を受ける可能性があります。これらの材料の分析は、酸分解と、フレーム原子吸光分光法（FAAS）、滴定、ICP などで実施されています。これらの分析方法は時間がかかり、有害な廃棄物が発生します。
レーザーアブレーションと誘導結合プラズマ発光分光分析法と組み合わせた方法（LA-ICP-OES）は、サンプル調製プロセスおよびICP-OES の操作で発生するすべての酸廃棄物を無くし、サンプルスループットを向上させることができます。バッテリー材料は、固体として直接分析することもでき、主要元素と微量元素の同時定量も可能です。
このアプリケーションノートでは、LaserTRAX 固体サンプリングシステム（Elemental Scientific Lasers、Bozeman、Montana、USA）とAvio® 550 Max ICP-OES を組み合わせ、酸分解を行わないカソード材料の直接分析に焦点を当て紹介します。