われわれの飲料水は主に河川、湖や地下水から供給されています。これら天然水中の元素濃度は、根本となる地質やさまざまな人間活動が影響する集水域によって大きく変化します。これら集水域において、飲料水中に存在する有害成分に関する監視が必要となり、その重要性が増しています。人が利用し飲食するために供給される水は、厳格な基準をあらかじめ遵守している必要があり、このような基準では、分析装置が微量元素を正確かつ高精度に定量する能力を有し、低い検出下限値に達することを要求しています。
一般的にICP 質量分析装置は、1 検体でコリジョンモードおよびリアクションモードといった2 種類の測定モードによる分析を実施するため、2 種類以上の単一ガスを必要とします。本研究では、NexION 1000 ICP 質量分析装置を用いて、コリジョンモードお
よびリアクションモードの双方を1 つの混合ガスだけで実施しました。この独特なアプローチにより、分析試験機関へ高い分析スループットを提供するのと同時に、基準で要求されている低い検出下限値を満たすことができます。