リチウムイオン電池の負極または正極のいずれかに水が存在すると、その性能は著しく損なわれる可能性があります。そのため、電極上の水分を測定することは重要です。現在、一般的に用いられている方法は、カールフィッシャー滴定です。しかし、これには複数の試薬が必要であるため、ユーザーにとって継続的なコストが発生します。さらに、カールフィッシャー滴定では試料を粉砕する必要があるため、湿気にさらされる可能性があります。
熱重量分析と質量分析(TG-MS)を組み合わせることで、電極表面に吸着した水の正確なデータが得られるだけでなく、分子量に基づく他の低分子に関する情報も得られます。このアプリケーションノートでは、質量分析とハイフネーションで接続された熱重量分析が電極サンプル中の水とCO2 の吸着と脱着をリアルタイムで検出する方法をご紹介します。