示差走査熱量測定(DSC) は、ポリマー材料の特性評価を目的として使用され、成型前や熱処理前の樹脂の品質確認に多く使用されています。日々の製品の品質管理では、一般にDSC を用いて、試料を融解温度以上まで加熱し、ガラス転移や融解の温度を用いています。しかし、いくつかの熱可塑性プラスチックにおいて、加工中に見られる物理的特性の差異や融点また、ガラス転移が有意な変化を示さないことも多く見受けられます。
このアプリケーションノートでは、高速昇降温可能な入力補償 DSC 8500 を用い、標準的なDSC の加熱や冷却だけでは品質の良否を示さず、等温結晶化を実施することで良品・不良品の材料特性のわずかな違いを判断できることを示します。