ガドリニウム(Gd)は、磁性化合物の製造に使用されています。代表的なものにMg-Gd 合金があり、耐食性に優れていることから、高強度・軽量化を必要とするさまざまな用途に使用されています。また、Gd は中性子吸収断面積が非常に大きいため、原子炉の正常な運転、つまり臨界状態を制御するためにも使用されています。
これらの用途において、ガドリニウム金属または酸化物は高純度でなければならないため、微量不純物の分析能力が非常に重要となってきます。誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)は非常に高感度な測定手法のため、高純度 Gd などの希土類元素化合物の不純物測定に最適な技術として、長い間評価されてきました。
このアプリケーションノートでは、PerkinElmer 社のNexION 5000 マルチ四重極ICP-MS を使用して、高純度酸化ガドリニウムマトリックス中の希土類元素不純物を直接測定した事例を紹介します。