ナノテクノロジーの急速な発展とそれらを臨床研究に応用できる可能性が期待されていますが、ナノ粒子(Nano Particles; NPs)が人の健康へ及ぼす悪影響への懸念も高まっています。
外傷や止血に用いられる包帯や医療器具などから AgNPs が体内へ取り込まれることが懸念されています。これらの懸念についての研究成果が最近の論文で公表されています。この論文では、NPs がむき出しの組織に直接取り込まれ、血液により中央神経システムの様な器官へ運ばれ、未発達の神経前駆体細胞の成長阻害を引き起こすことが述べられています。このような背景から、血液中の NPs を測定する必要性があると言え、本アプリケーションノートでは SP-ICP-MS による血液中の金・銀ナノ粒子測定手法を評価しました。