近年、コメに高濃度のひ素(As)が含まれていることに懸念が持たれています。コメ中にAs が存在する原因として、コメが栽培されている土壌、灌水に用いられている水、この他に大気降下物など数多くあります。
中国は世界最大のコメ生産地であることもあり、中国政府はコメおよびコメ製品中に含まれるAs 化学形態の評価を行う目的で、2014 年に食品安全国家規格である国家規格コードGB 5009.11を施行しました。この規格には、推奨する分析技術としてHPLC-ICP-MS 法が明記されています。
本アプリケーションノートでは、GB 5009.11 に準拠したグラジエント陰イオン交換法を用いて、市販のコメ試料と認証物質中に存在する5 種のひ素化学形態を特徴づけました。分析には、PerkinElmer 社製のイナート流路を有するNexSAR Inert HPLC と NexION ICP-MS で構成される NexSAR HPLC-ICP-MS 化学形態分析用システムを用いました。