ナノ粒子は広く様々な化合物に利用されていますが、二酸化ケイ素(SiO2)ナノ粒子は塗料や物質の強化剤、半導体プロセスなど様々な用途に利用されています。製品への導入および組み込みを成功させるためには、SiO2 粒子のサイズとサイズ分布を明らかにすることが必要です。
ナノ粒子サイズの分析には様々な手法(顕微鏡法や光散乱法、小角X 線散乱法(SAXS)、流動場分離法(FFF)など)が用いられてきました。これらの手法の欠点として、サンプルスループットが低いことで多量の粒子の特性評価に制限があることなどが挙げられます。
これらの制限を克服するために、シングルパーティクルICP-MS (SP-ICP-MS)法が開発されました。この手法ではナノ粒子を迅速に測定することができ(1 分以内で数千個の粒子を測定可能)、粒子1 つ1 つを測定することで粒子サイズやサイズ分布、粒子濃度、溶存成分濃度、粒子の凝集などの情報を得ることができます。
本報では、SiO2 ナノ粒子の検出、測定、特性評価における SP-ICP-MS の能力について検証しました。