環境や人の健康に関する研究において、各細胞への金属類の取り込みは、金属が溶存態かナノ粒子（NPs）かに関わらず研究対象として興味深いものです。細胞内金属類の研究では、細胞を培地から遠心分離または濾過により取り除き、清浄な溶媒で洗浄後、酸分解してICP-MS で測定することが一般的です。
シングルパーティクルICP-MS（SP-ICP-MS）法に基づく新しい技術であるシングルセルICP-MS（SC-ICP-MS）法では、溶存態金属および金属ナノ粒子を細胞単位で定量化できないという制約を克服し、細胞集団のより精確な定量分析が可能です。
本報では、溶存態Au およびAu ナノ粒子状の淡水藻細胞（Cyptomonasovate）への取り込みをSC-ICP-MS で観察することに焦点を当てました。