ATR法を利用したトランス脂肪酸の迅速分析 - PerkinElmer Japan

ATR法を利用したトランス脂肪酸の迅速分析

近年、食品中に含まれるトランス脂肪酸のヒトへの健康影響に関心が高まっています。トランス脂肪酸を摂取することによる悪玉コレステロール(LDL)の増加や、動脈硬化、虚血性心疾患のリスクを高める可能性が報告されています。
 トランス脂肪酸の分析には、FTIR、GC、LCなどが用いられます。しかしながら、GCやLCではサンプルの前処理に煩雑な処理が必要となります。そこで今回はサンプルの前処理を必要とせず、わずか数分で測定が可能な赤外分光法を用いてAOCSに準拠した手法での測定事例をご紹介します。 

 

 

 

使用装置

Spectrum 100 FTIR  

Spectrum 100 FTIR

  • クラス最高レベルのSN比(55000:1)
  • AVC技術により水蒸気や炭酸ガスの影響をリアルタムに除去可能
  • イメージングシステムへのUpgrade

 

GaldiATR加熱ATR  

GaldiATR加熱ATR

  • ATR結晶に傷の付かないダイヤモンドを使用
  • クリスタルの固定プレートに耐酸性、耐腐食のハステロイを使用
  • 反射光学系により全波長領域の遠赤外-中赤外の測定が可能
  • 加熱結晶プレートは 210℃の高温での測定が可能

 

トランス脂肪酸の標準試薬として、純度 >99% の Glyceryl trielaidate を、トランスフリーの脂肪酸標準試薬として、純度 >99% の Glyceryl tripalmitate を使用しました。
AOCSに準拠して、サンプルは65℃に加熱して測定を行いました。


(画像をクリックすると拡大表示されます)

AOCSに準拠してスペクトルを二次微分しそのスペクトルの0ベースからのピーク高さで作成した検量線を示します。低濃度領域における検量線ですが、良好な相関が得られています。

サンプル トランス脂肪酸含量 (%)
ファットスプレッドA 1.6 (2.2)*
ファットスプレッドB 5.4 (8.3)
ファットスプレッドC (カロリーハーフ) 2.5 (6.1)
マーガリン 1.3 (1.6)
ショートニング 4.6 (5.6)
バターA 2.5 (3.1)
バターB 2.2 (2.7)
牛脂 1.2
キャノーラ油 1.0
オリーブ油 0.8
ゴマ油 0.8
中鎖脂肪酸含有食用油 1.8
* ( )は油脂あたりに換算

作成した検量線を使用して、市販の油脂類に含まれるトランス脂肪酸量を調べました。今回調べた油脂類には0.8‐8.3% のトランス脂肪酸が含まれていることがわかりました。
ATR-FTIR法により食品中に含まれるトランス脂肪酸を誰でも簡単かつ迅速に調べることが可能です。

 

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