ICP質量分析装置の感度調整とは出来るだけ感度を高くすること? | ICP-MSラボのあれこれ | 無機分析ラボの日々のあれこれ - PerkinElmer Japan

ICP質量分析装置の感度調整とは出来るだけ感度を高くすること?

ICP質量分析装置は原子吸光分析装置や ICP発光分光分析装置と比較し、最も感度が高い装置というようによく言われます。
では ICP質量分析装置では出来るだけ感度を高くすることがよいことなのでしょうか?

ICP質量分析装置での感度調整とはどういう調整なのでしょうか?

ICP質量分析装置において調整する項目は、キャリヤーガス(ネブライザーガス)流量、RF 出力、トーチの位置(プラズマで発生したイオンが効率よくコーンから真空内部へ導入されるように)、レンズ電圧(効率よくイオンのみを検出器に導く)など。
これらは日常的に調整したほうが望ましい項目になります。
それ以外に年に数回の調整でよいもの、例えばマス軸の校正、分解能の調整、検出器電圧など。

では、日常的にはどのように調整するのでしょうか?
トーチ位置は単純に感度の高い条件(位置)を探すことになりますが、特にキャリヤーガス流量、RF出力は違います。
一般的には感度を出しつつ、バックグラウンドや酸化物、2 価イオンが出にくい条件。
具体的には、例えば In (インジウム)の感度を出しつつ、Ce(セリウム)の酸化物(CeO)が Ce の 2.5% 以上にならないようにキャリヤーガス流量を調整します。(下図)

 

 

つまり、In の最大値と最適値は違います。

次にレンズ電圧ですが、基本的には低マス、中マス、高マスの複数の元素において最大の感度となるように調整を行います。
ただし、複数のレンズを有する装置の場合、1 つのレンズを調整するとその他のレンズの最適値は変化するため何度か繰り返しながらの調整が必要になります。
また、レンズの種類によっては最大の感度にすることでバックグラウンドが高くなることもあるので、注意が必要です。

次にデイリーパフォーマンスチェックという低マス、中マス、高マスの元素の感度や酸化物生成比、2 価イオン生成比、バックグラウンド強度をすべてチェックし、この目標値をクリアすることで装置が正常であることが確認できます。

ここで勘違いしてはいけないのはこの結果はあくまでも装置が正常であることを確認するものであり、この条件でどんなサンプルでも測定できるという事ではありません。

 

次回は難しいサンプルを測定する際の感度調整方法について紹介したいと思います。

 

 

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