プレートリーダー関連アプリケーション・ORAC法 - PerkinElmer Japan

プレートリーダー関連アプリケーション・ORAC法

食品などの「抗酸化力」をプレートリーダーで測定してみませんか?

 

「第7の栄養素」抗酸化物質

生体内で発生する各種の活性酸素種は、ウィルスや細菌感染時の、マクロファージなどによる病原体排除機構など、各種の生体防御に関わっています。

しかしながら、活性酸素種は反応性が非常に高いために、さまざまなストレスや紫外線、喫煙などにより生体内のバランスが崩れ、ひとたび過剰産生された活性酸素種を消去しきれない状態になると、生体内のたんぱく質や脂質、あるいはDNAなどの高分子と反応して、タンパク質の変性や過酸化脂質の生成、遺伝子障害などを引き起こし、老化の促進やがん・生活習慣病の発症をもたらすと考えられています。

抗酸化物質の産生は体内においても行われますが、20代をピークに産生量が低下してしまうとされており、食事やサプリメントから「第7の栄養素」抗酸化物質を積極的に摂取することが、健康維持に重要であるとして推奨されています。

ORAC法とは

抗酸化物質の持つ「抗酸化力」の分析方法にはさまざまなものが存在しますが、どれも一長一短があり、公定法として認められた方法はまだありません。

その中で、米国農務省と国立老化研究所の研究者らによって開発された、抗酸化力の新しい指標である「ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity: 活性酸素吸収能力)法」は、食品中の抗酸化力の分析方法として優れており、最もデータベースが充実している分析方法です。そのため、アメリカにおいてはすでにORAC値が表記されたサプリメントや飲料などの市販が行われています。

日本においても、食品の抗酸化力に対する統一した指標の確立を目的とするAntioxidant Unit研究会(AOU研究会)において、ORAC法の公定法化に向けた研究が進められています。(2010年7月現在)

ORAC法の原理

ORAC法はマイクロプレートを用いたアッセイ手法です。活性酸素源を添加した蛍光プローブ由来の蛍光強度を経時的に測定すると、蛍光強度の減衰の様子をグラフに描くことができますが、抗酸化力を持つ物質を添加して同様のアッセイを行うと、蛍光強度の減衰が遅延する様子が観察できます。

そこで、標準物質や抗酸化物質を添加して蛍光強度が減衰していく様子をグラフにした際の、グラフ曲線よりも下の面積:AUC(Area Under the Curve)から、何も添加せずにアッセイを行った場合のAUCを引いた値(net AUC)を用いて、標準物質が示す抗酸化力に対する、抗酸化物質が示す相対的な抗酸化力値として、ORAC値が算出されます。

ORAC法に求められること

ORAC法の測定を行うには、蛍光プローブであるFluoresceinの蛍光測定(できればマイクロプレートの下側からの測定)が出来ること、2分おきの経時的な繰り返し測定を90分間以上出来ること、測定装置内を37℃に維持しての測定が可能であることが求められます。また、分注装置を使用することによるORAC法のアッセイの自動化や、解析ソフトによる測定データの自動処理ができればより簡単にORAC法の測定を行うことができます。
パーキンエルマーでは、ORAC法の測定にご使用いただける装置として、以下のプレートリーダーのご提案をしております。

ARVO XシリーズARVO Xシリーズ

  • 発光・蛍光・吸光度・時間分解蛍光・蛍光偏光の5つのテクノロジーに対応するマルチラベルプレートリーダー。
  • Fluorescein測定用のフィルターセット、温度コントロール機構や蛍光下方測定は標準搭載されています。
  • ORAC法の測定には、発光と蛍光の測定ができるARVO X2 システム、あるいは発光・蛍光・吸光度測定に対応し、解析ソフトウェア WorkOut 2.5が付属するARVO X3 システムがお勧めです。
  • 自動分注装置の増設も可能です。

EnSpireマルチモードモデルEnSpireマルチモードモデル

  • 発光・蛍光・吸光度・AlphaScreenの4つのテクノロジーに対応するマルチラベルプレートリーダー。
  • 四重モノクロメーターを搭載しており、あらゆる波長(UV~可視光域)の蛍光測定に対応します。
  • 蛍光下方測定や温度コントロール機構も搭載可能です。

 

ORAC法の測定例

実際にORAC法の測定がどの程度の精度で行えるかを確認する目的で、ARVO Xを使用してORAC法で標準物質として使用されるTroloxを用いたアッセイを行い、スタンダードカーブを描いてみました。

【標準物質 Troloxの測定例】

4通りのTrolox濃度(50µM、25µM、12.5µM、6.25µM)でそれぞれアッセイを行い、経時的な蛍光測定を行った結果になります。
比較のために、Trolox溶液の代わりにアッセイバッファーを添加したブランクウェルでの測定結果とともに描いたのが以下の各グラフになります。

標準物質Troloxの測定例

各測定データをもとにして、以下のスタンダードカーブ(y = -0.0023x2 + 0.4444x + 1.4653、R2= 0.9937)を得ることができました。