“ガラス転移ってピークになるの?”の前の新年の装置確認の話 | 熱分析屋さんのつぶやき - PerkinElmer Japan

“ガラス転移ってピークになるの?”の前の新年の装置確認の話

明けましておめでとうございます。2017年酉年の始まりです。筆者は趣味の雪山に行ってきましたが、今年も雪が少なかったです。せっかくスキー板をメンテナンスしたのに、板が酷いことになっています(涙)
たまに何故スキー・スノボ用の液体ワックスってフッ素系を使っているかって話をしたりしますが、それは水のサンプリングとかの話のときにしますね。実は水って熱分析で最も難しい測定です。

さてと、年末年始で装置が止まっていることが多かったと思います。今日はガラス転移の話の予定でしたが、その前にやらなければ...ということで、装置の立ち上げの注意の話です。

 

実は装置立ち上げって結構気を使います。
みなさん、装置を立ち上げて何を確認していますか?

たとえば、装置立ち上げ.装置の電源を入れたらすぐに使えると思っている方も多いみたいです。

熱分析に限らず、分析装置一般で何も確認しないのは、実はこれ、とても危険です。危険といっても身に危険がという訳ではないので、安心してください。もっとも、新しい装置でなく、CEマークとかのない時代のあまりに古い装置を使う場合には身に危険、なんてこともありますから、その時は自分の責任で。

さて、冷却装置の電源を入れずに装置だけ電源を入れると、装置が安定するまで少し時間がかかります。たとえば、DSCの電源だとこんな感じです。スイッチ一つです。


Pic. 装置の電源スイッチ(装置背面)

 

装置の電源を入れてソフトウェア(図はパーキンエルマーのPyrisソフト)上で確認すると、赤線が初め(青枠)だけ大きく変動して、その後は安定している(赤枠)様に見えます。赤枠でゆらぎも見えますけど、これ室温変動も関係するときがあります。年初のエアコンが効いていなかったときは室温変動にも要注意です。


Pic.電源投入直後のDSCのスクリーンショット

 

5分位すると安定した様に見えますけど、スケールを変えて拡大するとシフト(赤線)していたりします。青線が水平なので、かなりシフトしてしまいますね。これって装置が外気温と合わせようと健気に努力している最中です。


Pic. 電源投入後5分経過後のDSC(赤線)と水平を示す直線(青線)のスクリーンショット

 

筆者の場合、電源を入れて温度が安定するまで待ってから、冷却装置の電源を入れます。こうすると、装置のノイズとか、ガスとかの状況も把握できます。
ただ、いつまで待っても完全に安定しないこともありますので、細かく見過ぎには注意です。DSCだけでなくTGやDMA、TMAなどパーキンエルマーの装置を使っている方で自信のない場合はコールセンターTEL: 045-339-5889に電話して聞いてみてください。

装置ごとにみると時間がかかる順に
冷却装置付き装置>TG>DMA>TMA>DSCではないかと思います。もちろん細かく見ないから大丈夫と言われてしまうとその通りなのですが、以前と同じ状態にするのが難しいので、この年初めは十分過ぎる位確認していいと思います。

ちなみにDSC 8000/8500の冷却装置の温度がPyrisソフトウェアの「サービス」あるいは「Service」で確認できるので、日頃からこの項目気にして温度を覚えておくと、装置がより安定稼働できます。装置の不調もよくわかりますし...


Pic. 冷却器の温度確認用コントロールパネル

 

装置が安定したら、温度や熱量,ドリフトを確認して完了です。
もちろん、必要なら校正も実施してくださいね。

今年も熱分析屋さんとしてがんばっていきます。

 

では、次回の“ガラス転移ってピークになるの?”(今度は内容変更なし)でお会いしましょう。

 

 

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