比熱の精度 | 熱分析屋さんのつぶやき - PerkinElmer Japan

比熱の精度

今日は比熱容量測定です。DSCで比熱容量測定していますか?DSCは熱容量が得られる装置なので、比熱容量を解析しないのは録画付のテレビに録画しないのと一緒ですね。今回はちょっと難しい話、DSCの式、熱容量C [J/g]と温度T、時間t から

質量mがわかれば、熱容量Cから比熱容量が求められます。DSCって転移温度や熱量を求めるだけの装置ではないですね。長い間、熱分析を中心でやっていますが、なぜか飽きない熱分析です。
 
ちなみに...
比熱容量測定はJIS K 7123に、DSCの比熱容量の精度や確度は産総研のHP(標準化委員会)にも記載されています。
比熱容量標準試料はDSCが使用されているくらい精度や確度の高い結果が得られます。
測定は等温→昇温→等温を繰り返すだけの簡単な測定です。お勧めはブランク→サファイア→サファイア→試料の順の測定です。長くなるので詳細はJISや熱分析の教科書にお任せするとして、この手順だとサファイアの結果の誤差がわかり、得られた試料の比熱容量の誤差が一目瞭然です。


(図)DSCの比熱容量測定を重ね書きするとこんな感じです。


(図)少なくともサファイアの測定値と文献値の差が試料の比熱容量の誤差に含まれます。
図の線は2本ですね。ばらつき0.5%だとこんな感じに重なって見えて、よく見ないと1本と間違えます。

 

では、次回の”繰り返し測定の意味って”でお会いしましょう。

 

 

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