温度が違う その1 | 熱分析屋さんのつぶやき - PerkinElmer Japan

温度が違う その1

さて、今日は熱分析のよくある問合せ、“温度”です。

皆さんは温度の確認はどのくらいの頻度で実施していますか?たまに装置を買ってから確認したことがない、なんて話も聞きます。
熱分析は温度に対して何らかの物理量を測定するので、温度が正確でないと結果が異なってしまいます。筆者のラボでは最低でも週1回は温度を確認しています。
方法は至って簡単。基準としているインジウムの融点を測定するだけです。たった5分の測定でデータがどれだけ不正確かわかるようになります。
JIS K 0129:2005などにも校正の記載がありますね。

ちなみに...
筆者の場合、校正したときの昇温速度で昇温するだけです、たとえば10 ℃/minを使う場合にはインジウム120 ℃から160 ℃まで測定します。インジウムの融解は文献だと156.6 ℃、28.45 J/gなので、たとえば156.8 ℃を示したら、前回と0.2 ℃以内の議論ができなくなります。校正していないと、3 ℃も違っていた、などということもあります。これで前の結果と温度が違うかどうかの判断なんてできないですよね。
こうならないためにも、せめて週1回は金属の融解温度の確認をするといいのではないかと思います。


いつも使うDSC用“インジウム” (1.005 mg)とTG-DTA用“金” (20.410 mg)

 
PETのDSCはこんな感じです。

近々、温度が違う その2もつぶやきます。

 

 

では、次回の ”等温結晶化の温度” でお会いしましょう。

 

 

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