DELFIA 時間分解蛍光法試薬 - PerkinElmer Japan

DELFIA 時間分解蛍光法試薬

ユーロピウム Euに代表されるランタニドは、通常の蛍光物質と比較し蛍光寿命が非常に長いという特徴があります。この特徴を利用した時間分解蛍光測定では、通常の蛍光が消光した後(図1;400msec.)に測定を開始し、一定時間内(図1;800msec. まで)の蛍光量の測定を行います。さらに、ランタニドはストークスシフト(Euの場合、励起波長 340nm, 蛍光波長 615nm)が非常に広いという特徴をも持ち合わせているため、通常の蛍光特性をもつバックグラウンドの影響を最小限に抑えることができます。

図1 ランタニドキレートからの蛍光は、従来の蛍光物質からの蛍光の少なくとも200,000倍の寿命があります。すなわち、障害となる非特異的な蛍光(青)が消光したのちに測定(赤部分)を行います。

 

ランタニドイオンの長寿命かつ広いストークスシフトの能力を生化学領域で最大限に発揮させたのがWallacランタニドキレートです。Wallacランタニドキレートは、無蛍光と蛍光の二つのキレートカテゴリーに分類されます。無蛍光キレートは、DELFIAタイプのアッセイに用いられます。これはバインディング反応後の洗浄(分離操作)ののち、増強試薬を添加(増強操作)し、強度の蛍光を持つキレートを形成すべくキレート剤の交換を行います。蛍光キレートは、分離操作および増強操作の必要のないホモジニアスなLANCEタイプのアッセイに用いられます。

DELIFAは、通常の蛍光を用いたアッセイで高感度化の障害となったバックグラウンドの蛍光を最小限に抑えることができます。したがって、通常の蛍光アッセイでは不可能であった領域まで検出限界を下げることができました(図2)。更に、蛍光波長、蛍光寿命のそれぞれ異なる4つのランタニド、ユーロピウム Eu、サマリウム Sm、テルビウム Tb、ディスプロシウム Dyを用いることにより、非ラジオアイソトープでは不可能であった多重標識アッセイをも可能にしました(図3)。

図2 時間分解蛍光法によるDELFIA Euキレートは、従来の蛍光と比較し高感度アッセイを実現します。
図3 4種のランタニドを蛍光寿命および蛍光波長のうえから明確に識別できるように開発されました。

 

DELFIA アッセイ