インディ500:パーキンエルマーはその速度と厳しい公平性を守ります | Stories - PerkinElmer Japan

インディ500:パーキンエルマーはその速度と厳しい公平性を守ります

“ドライバー諸君、エンジンをかけてください”

この有名な言葉がメモリアルデイに何百万人ものレースファンに放映された時が、101 回目のインディ500 レースが始まる合図です。ピカピカの車達は有名な「ヤード・オブ・ブリックス」を最初に越えるために、楕円形のコースを200 回も時速386 kmで周回する必要があるのです。それをこなすためには信じられないような量の技術、スタミナ、チームワーク、決断力・・・・そして燃料を消費します。そうなのです、燃料、もっと言うならE85 燃料です。1 分で詳しく説明いたしますと、現在は、「燃料はレーシングカーにとって、馬力と性能と同じぐらい重要だ。」ということを覚えておいてください。1

インディ公認の燃料の何が特別なのか? 第一に、今までのガソリンとは全く別物です。ガソリンは1965 年のインディ500より段階的に廃止されてきました。それ以後は、INDYCAR® 自体がメタノールとエタノールを異なったブレンドで実験を行い、今日では公認燃料のE85として知られています。E85は85 %のエタノールと15 %のハイオクガソリンで構成されています。燃料の調合はINDYCAR により監視されており、各チーム共に同じ燃料タンクからのみ燃料を調達することが決まっており、余計な添加物を加えられないようになっています。事実、各チームの燃料タンクはレース開始の前まで有名な「ガソリンアレー」にボルト締めしてあり、どのチームも動かすことはできません。

さて、車自体についてのいくつかの事実があります。車は全て同じカーボンファイバーシャシーが使用され、重量は各1580 ポンド(約716 kg)です。シボレーとホンダが供給する6 気筒以下ツイン ターボ 直噴エンジンを採用しています。 なぜならばこのエンジンは平均して1 ガロンで4 マイル走行できるパフォーマンスを効率的に発揮させるためです。インディ500レース中では1 周回で0.6 ガロン(約2.27 L)を消費し、最後まで走りきった場合は125 ガロン(約473 L)を消費することになります。2

なぜこのように燃料、タンク、レースカーについて騒ぎ立てるのでしょう?「世界の どのレースとも違いINDYCARシリーズは車や燃料ではなく、ドライバーとその技術で競っているのです。」と関係者は言っています。3

40 年に渡る信頼関係

そこでパーキンエルマーの出番です。60 年代後半からINDYCARレースの公式分析装置として、そして承認スポンサーとしてパーキンエルマー社の移動燃料分析チームがINDYCAR17レース全ての燃料サンプルの分析を行っています。現在は、INDYCARセミトラクタートレーラーに設置された移動ラボに、Clarus® 580 GC(ガスクロマトグラフィー)に熱伝導度検出器(TCD) を搭載したシステムが利用されています。

「我々はトラックにいる間、レースカーからサンプルを採取し、Clarus GC で燃料に余計な添加物が加えられていないか、全てのレースの始まりから分析しています。」 いくつものインディレースに同行しているパーキンエルマー社のシニアGCサービススペシャリストの Jesse Leonard氏は言います。 「レース規則に従い、燃料へ何か添加または除去されていないかを確認しています。」

Leonard氏によると移動ラボは開催毎のレースの上位6 位または7 位までと、予選の上位6 位までを含む20 台までの車の検査を行っています。そのため約30 台のGCが開催毎に導入されています。Clarus GC であれば5 分以内で燃料の分析でき、パーキンエルマー社が唯一のリーグ公認会社としてレースが終了するまで、迅速にアクションが起こせるようにトラック内で待機しているのです。

異常を探せ

INDYCAR開催に何年も同行したパーキンエルマーチームに、今まで誰か燃料を改変しようとした人はいなかったのかと質問してみました。

INDYCAR のエンジニア/セーフティー ディレクター Jeff Horton氏によれば、2009 年にあるチームのピット内の燃料が「干上がっている」のを発見しました。これはドライバーにとっては少し有利になります。

「ガスクロマトグラムで得られた水分量から、配給された燃料より水分が少ないのは、水分を飛ばしたからではないかと、私は疑いを持ちました。」パーキンエルマー社のフィールドアプリケーションサイエンティスト Brett Boyer氏はペトロインダストリーニュースでこのように語っています。この後、Boyer氏の発見は立証され、チームは重い罰金を払うことになりました。4

他の事例として、INDYCARのHorton氏はパーキンエルマー社のClarus GCにより、燃料の中に含まれてはならない化合物を発見しましたが、特にその化合物が、アドバンテージになるようなものではありませんでした。Horton氏によれば、その原因は車両の燃料タンクそのものでした。この燃料タンクは、燃料の化学的攻撃や事故の際の流出に耐えるように作られた柔軟性の高い燃料タンクでした。

「私たちはクロマトグラフに未知のピークを発見しました。」Boyer氏は当時を思い出しました。未知の化合物を同定するため、パーキンエルマー社のシカゴ ラボで質量分析を行った結果、未知のピークは燃料タンクの柔軟性、透明性および耐久性を高めるために使用されたフタル酸であることが判明しました。

「このような実際に起こったことを通して、私たちの技術や知識が燃料検査に貢献していることがわかると思います。」 GCサービススペシャリストの Leonard氏はそのように言います。「困難なことを助けたりできる、この技術検査チームに所属しているということはとても素敵なことだと思っています。」

INDYCAR のエンジン開発部門ディレクター Marvin Riley氏は同じ気持ちでした。「Verizon INDYCAR シリーズとインディ500の組織はパーキンエルマー社と40 年以上も一緒に開催していることを誇らしく思っています。また、GC装置とテクニカルスペシャリストの経験と知識により、燃料の特性解析がより簡単に、より確実に行え、全てのチームが平等であることに疑問はない。」 と彼は言っていました。5

 

*こちらの製品のお問い合わせに関しましてはweb窓口または 045-339-5861 ディスカバリー・アナリティカル・ソリューションズ部 分析機器営業本部 までご連絡ください。

 

References

  1. Robert Thomas, “Characterizing Fuel by Gas Chromatography: Making Sure that INDYCAR Race Teams are Playing by the Rules,” Petro Industry News, January 27, 2017, accessed March 27, 2017.
  2. Steve Hanley, “The Difference Between IndyCar And Formula 1: Money, Lots Of It!,” GAS2, May 28, 2016, accessed March 27, 2017.
  3. Ibid
  4. Thomas, op. cit.
  5. Ibid