トリチウムラベリングサービス

トリチウムラベリングサービスは、市販されていないトリチウム化合物を比較的安価にご提供するサービスです。また、施設の許容量の制限で大量のトリチウムが標識に使用できない場合に有用です。被標識体の前駆体 0.1 mmol 程度をお客様に提供して頂き、以下のような方法でトリチウム標識反応を行ないます。標識混合物から触媒を除き、溶媒としてエタノールを使った減圧蒸留により不安定トリチウムを取り除いた後、総放射能量を測定し、ご指示頂いた放射能量を納品致します。目的標識化合物の精製や分析サービスは含まれません。

注意事項
全てのトリチウムラベリングサービスでは化合物を放射能で処理するため、標識中に化合物の分解が生じます。分解の種類や程度は、化合物の性質や量、使用するトリチウムの量、照射時間等により異なります。また、分解に関してはまだ分かっていない要素もいくつか存在します。したがって、最終製品には目的の標識化合物以外の標識物質や未標識の分解物が含まれる可能性がありますし、その安定性や混入する不純物の予想は困難です。

トリチウムラベリングサービス
標識法
カタログ番号

トリチウムガス触媒還元法 NET259
金属水素化物還元法 NET260
触媒交換法 NET262
トリチウムガス照射法
NET263

 

 

 

トリチウムガス触媒還元法(Catalytic Reduction with Tritium Gas : NET259)
ご提供頂いた化合物に対し、トリチウムガス 925 GBq(25 Ci)を使い触媒還元を行います。化合物のpHや熱に対する安定性の情報をご提供下さい。本方法は還元可能な位置に不飽和結合、またはハロゲン化前駆体が供給いただける場合に最適です。比放射能レンジは一般に 20-30 Ci/mmol(標識位置が一箇所の場合)で、「標識反応に伴う分解が少ない」、「標識位置が明らか」などの利点があります。

 

金属水素化物還元法(Reduction with Sodium Borohydride, [3H]- : NET260)
トリチウム標識水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)は、ケトンやアルデヒドをアルコール還元だけでなく、エステル、酸やニトリルなどの還元可能な官能基が存在する場合にも利用できます。この試薬は水素化リチウムアルミニウムと比べ、「還元選択性が高い」、「高比放射能(10 Ci/mmol)が得られる」、「標識効率が高い」などの利点があります。通常740 GBq(20 Ci)の[3H]NaBH4を使用します。

注意事項
本法の性質により、前駆体が標識過程で分解することがあります。パーキンエルマーは前駆体の分解に対していかなる責任も負いません。標識後の前駆体の残余分は、特に事前の同意がない限り廃棄致します。

 

触媒置換法(Catalytic Exchange with Tritium : NET262)
溶媒中での触媒による同位体置換は、トリチウムをランダムに標識する重要な技術です。溶媒として水、氷酢酸、ジメチルホルムアミドや他の非プロトン性溶媒が、そして触媒として貴金属類が良く用いられます。アイソトープ原料としては、925GBq(25 Ci)のトリチウム水あるいはトリチウムガスのいずれかが用いられます。
触媒置換では、被標識物質(0.1 - 0.3 mmol)を、トリチウムガスの場合は室温で、またはトリチウム水の場合50-100℃で、16時間以上攪拌しながら反応を行います。この方法の成否は、これらの条件における化合物の安定性に依存しています。
芳香族化合物の場合、酸-触媒(特にトリフルオロ酢酸)によるトリチウム水置換法で効率的に標識することが可能です。還元法よりも触媒置換法では、比放射能が高くなるにつれて不純物が増加する傾向にあります。しかしながら、一般的にはお客様が適当な精製を行うことにより、比放射能レンジ内で適切な放射化学的純度が得られます。
一方、ヌクレオシド、ヌクレオチド、糖およびアミノ酸に対して、トリチウムガスによる触媒置換法は特に効果的です。この方法は大変緩和な標識条件で、通常1 Ci/mmol 以上の比放射能と立体異性の保持が可能です。

 

トリチウムガス照射法(Tritium Gas Exposure : NET263)
トリチウムガス照射は、有機化合物をランダムにトリチウム標識する簡単な方法です。この方法では、化合物は 555 GBq (15 Ci) の高比放射能トリチウムガスを封入したアンプルに密封された後、電離条件下に数週間維持されます。この方法では比較的低い比放射能 (1 - 125 mCi/g) になりますが、同時に経済的な標識方法です。例えば、様々なステロイド、ホルモンや複雑な化合物に対して使われます。
トリチウムガス照射による標識では、物質の放射線分解がかなりの程度で起こり、高比放射能の不純物が形成されます。本方法の選択を決定される前に、慎重に他の標識方法を検討され、可能ならばそちらを選択されることをお薦めします。
一般的に最大の比放射能を得るのに、555 GBq(15 Ci)の照射に対して1 g以下のサンプルを用いることをお勧めします。固形サンプルは細かい粉末状にしてご提供下さい。サンプル到着後約5週間の納期が必要です。

 

■トリチウムラベリングサービスの前駆体ご提供

指定の包装、記載および出荷条件の下で、前駆体の出荷をお願いすることがあります。
混入する不純物が標識工程を複雑にすることや、標識の失敗につながることがありますので、化学的純度の高い前駆体のご提供をお願いしています。パーキンエルマーで受領後、サンプルの分析または試験を行うことは致しません。

 

■トリチウム製品の保存と出荷

トリチウム製品の収量がご希望量よりも多いとき、ご要望により余剰分をパーキンエルマーで最大 6 ヶ月まで無償で保存することができます(保存期間の延長をご希望の際はご相談下さい)。
不純物を含むトリチウム標識化合物は不安定です。このため、余剰分の保管中の分解や品質についてパーキンエルマーはいかなる責任も負えませんのでご了承下さい。保存製品を分納する場合は有償となりますので、ご注意下さい。

 

■トリチウムラベリングプラス

トリチウムラベリングプラスは、特別合成とトリチウムラベリングサービスとの中間のレベルのサービスです。提供された被標識化合物の標識反応中の分解が少なく、高い確率で目的標識体が得られると推測される場合、精製と分析を追加することが可能です。お客様からスタンダードとしてコールドの目的化合物、可能であれば精製条件等のご提供をお願いしております。ご要望に応じた分析により、お客様のご要望を満たしたトリチウム標識化合物を提供できます。

 

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