Q1. SPE製品には様々な基剤がありますが、逆相分析の場合、ファーストチョイスとして何を選択すればいいですか?
Q2. マニホールドでSPEの多検体処理を行う際に、各SPEごとに溶媒の落下速度が異なったり、場合によっては溶媒が抜けにくいSPEがあります。これらの問題を低減させるにはどうしたらいいですか?
マニホールド
|
これらの問題が生じる要因は2つ考えられます。
まず、粒度分布の広いSPEカラムを使っている場合、カラム内のSPEパーティクルの不均一性やSPEカラム間におけるパーティクルの不均一性によって、今回の問題が生じることがあります。
また、SPEカラム間のパーティクル充てん量のバラツキが大きい場合も今回の問題が生じる要因となります。
パーキンエルマーのSPEカラムは、パーティクルの粒度分布が狭く、充てん量を規格値の1% 以内に管理できる最新充てん法を採用しているため、ご指摘された問題を最小限に抑えることが可能です。
詳しくは下記をご覧ください。
↑CLOSE
Q3. SPEで前処理する場合、サンプル負荷量(サンプルロードキャパシティ)とSPEカラムの選択はどのように決めればいいのですか?
サンプルロードキャパシティは充てん量に依存します。
下記の図の通り、ポリマー系SPEの場合は充てん量の20% 程度、シリカ系SPEの場合は充てん量の10% 程度のサンプルロードキャパシティです。ただし、このキャパシティとは夾雑成分を含めたサンプルマトリクス全体の絶対量となるため、夾雑成分が多いサンプルの場合はターゲット化合物のキャパシティはこの数値よりかなり小さいことをご理解ください。
サンプルロードキャパシティ
SPE充てん量 |
50 mg |
100 mg |
200 mg |
500 mg |
1000 mg |
5 g |
10 g |
ポリマー系SPE |
< 10 mg |
< 20 mg |
< 40 mg |
< 100 mg |
< 200mg |
< 1000 mg |
< 2000 mg |
シリカ系SPE |
< 5 mg |
< 10mg |
< 20 mg |
< 50mg |
< 100 mg |
< 500 mg |
< 1000 mg |
↑CLOSE
Q4. SPEプロトコールの通りサンプル前処理を行いましたが、かなり低い回収率となりました。この原因はどうすればわかりますか?
回収率が悪い場合、原因追究としてマスバランス試験を行って ください。
マスバランス試験
マスバランス試験とは、ターゲット化合物が既知濃度* の試料でSPEによる前処理を行い、各ステップで通過した溶液をサンプリングして分析を行い定量する試験です。この試験を行うことで回収率低下が生じているステップを特定できます。
*定量限界の10倍以上の濃度
マスバランス試験で回収率が低減するステップと要因が特定できたら下記の改善策を行う必要があります。
前処理
ステップ |
ターゲット化合物
溶出の有無 |
回収率が悪い原因 |
改善策 |
サンプルロード |
有 |
ターゲット化合物がSPEに100% トラップさせていない |
- 充てん量の多いSPEカラムへ変更
- サンプルロード量の低減
等
|
ウオッシュ |
有 |
ウオッシュ溶液が強溶媒のため、SPEにトラップされたターゲット化合物の一部または全部がリリースしている |
- ウオッシュ溶液の変更
- ウオッシュ溶液量の低減
- ウオッシュ溶液中の有機溶媒比率の低減
等
|
エリューション |
無または
定量値が小さい |
エリューション溶液が弱溶媒のため、SPEにトラップされたターゲット化合物が全量回収できていない |
- エリューション溶液の変更
- エリューション溶液量のアップ
- エリューション溶液中の有機溶媒比率のアップ
等
|
↑CLOSE